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(2011-7-16) ダビデ王の最期 part 1 ダビデにも死期が近づいた。ダビデはソロモンを呼び寄せ、こう言った。 「私はこの世の全ての者がたどる道を行こうとしている。あなたは勇ましく雄々しくあれ。あなたの神、主の務めを守ってその道を歩み、モーセの律法に記されているとおり、主の掟と戒めと法と定めを守れ。そうすれば、あなたは何を行っても、どこに向かっても、良い成果を上げることができる。 また主は、私について告げてくださったこと、『あなたの子孫が自分の歩む道に留意し、誠をもって、心を尽くし、魂を尽くして私の道を歩むなら、イスラエルの王座につく者が断たれることはない。』という約束を守ってくださるであろう。 またあなたは、ツェルヤの子ヨアブが私にしたことを知っているはずだ。彼がイスラエルの二人の将軍、ネルの子アブネルとイエテルの子アマサにしたことである。ヨアブは彼らを殺し、平和な時に戦いの地を流し、腰の帯と足の靴に戦いの血を付けた（アブネルの件については(2010-10-21) アブネル、暗殺される part 1を参照。アマサの件については(2011- 5-21) シェバの反逆 part 3参照）。それゆえ、あなたは知恵に従って行動し、彼が白髪をたくわえて安らかに陰府に下ることを許してはならない。」 アブサロムのこと（(2011- 3-17) アブサロムの最期 part 2参照）もダビデの頭をよぎったが、口に出さなかった。ダビデにとっては大事な息子の仇であっても、新たな王となったソロモンにとってはライバルでしかない。だが、もしもソロモンがヨアブを討ってくれれば、それでアブサロムの仇を討つことになるはずであった。 ダビデは続けてソロモンに言った。 「ただし、ギレアド人バルジライの息子たちには慈しみ深くし、あなたの食卓に連なる者とせよ。彼らは、私があなたの兄アブサロムを避けて逃げた時、助けてくれたからである（(2011- 3- 7) 会戦の準備、(2011- 4-30) ダビデ、ヨルダン川を渡る part 3参照）。 また、あなたのもとにはバフリム出身のベニヤミン人ゲラの子シムイがいる。彼は私がマハナイムに行った時、激しく私を呪った。だが、彼は私を迎えにヨルダン川まで下ってきてくれた。私は彼に、『私はあなたを剣で殺すことはない』と主にかけて誓った。（(2011- 2-14) ダビデとシムイ、(2011- 4-16) ダビデ、ヨルダン川を渡る part 1参照）。しかし今、あなたは彼の罪を不問に付してはならない。あなたは知恵ある者であり、彼に何を為すべきか分かっているはずだ。あの白髪を血に染めて陰府に送り込まなければならない。」 シムイの件については、ダビデはその場ではシムイを許したものの、心の底から許していたのではなかった。神にかけてダビデはシムイを殺さないことを誓ったため、その始末についてはソロモンに託したのである。 これらのことを言い終えて、ダビデはソロモンを下がらせた。 （次回に続く） 参考地図1-6-24：王位継承の争い〜ダビデ王の最期
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