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(2011-4-16) ダビデ、ヨルダン川を渡る part 1 ユダ族の申し出を受け、エルサレム帰還の環境が整ったと判断したダビデは、兵を率いてマハナイムの町を出発した。ユダの人々は王を迎えてヨルダン川を渡るのを助けるために、ギルガルまで来ていた。 そのユダ族よりも先にダビデを迎えに来た男がいる。ベニヤミン人でゲラの子シムイである。シムイは、先にダビデがエルサレムを落ち延びていく際に呪いの言葉を投げつけていた男である（(2011- 2-14) ダビデとシムイ参照）。シムイは千人のベニヤミン族の者たちを引き連れて来ていた。ダビデが王座を追われて良い気になっていたものの、戦争はアブサロムの死とダビデの勝利に終わり、シムイは慌ててダビデを迎えに来ていた。だが、ユダの人々と同時に迎えたところで、誠意を見せたことにはならない − そう考えたシムイは、ユダの人々に先んじてヨルダン川を東へ渡り、ダビデの前へ出た。 千人の部下は外において、わずかな部下だけを連れてシムイはダビデの前に出て、地にひれ伏して王に言った。 「どうか、主君が私を有罪とお考えにならず、主君、王がエルサレムを出られた日にこのしもべが犯した悪をお忘れください。心にお留めになりませんように。私は自分の犯した罪をよく存じています。ですから、本日ヨセフの家の誰よりも早く主君、王をお迎えしようとくだって参りました。」 （ヨセフの家の者・・・ヤコブとラケルから出た者、の意。伝承に寄ればベニヤミン族、マナセ族、エフライム族があたる。ヨセフの時代の人物相関図は(2007-12- 5) 登場人物の整理参照）。 その口上を聞いてあきれたアビシャイがダビデに言った。「シムイが死なずに済むものでしょうか。主が油を注がれた方をののしったのです。」 アビシャイは先にシムイがダビデをののしった際にも、シムイの首を落とそうと息巻いたことがある。それに対してダビデは言った。 「ツェルヤの息子たちよ、放っておいてくれ。お前たちは今日、私に敵対するつもりか。今日、イスラエル人が死刑にされてよいものだろうか。今日、私がイスラエルの王であることを、私自身が知らないと思うのか。」 そしてダビデはシムイに向かって「私はお前を死刑にすることはない。」と誓った。 （次回に続く） 参考地図1-6-22：帰還への地ならし〜ダビデ、ヨルダン川を渡る
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