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(2008-5-30) ミリアムの死／エドム王との交渉 やがて一行は、カデシュにたどり着いた（(2008- 2-20) 解説編：出エジプトはいつの出来事か？ part 3 （カデシュの戦い 1）で触れたカデシュとは別。下記の地図を参照のこと）。 カデシュにたどり着いたところで、モーセとアロンの姉、ミリアムが死んだ。人々はミリアムをそこに埋葬した。その夜、モーセは自分の天幕で横たわりながら、考えずにはいられなかった。（姉も死んでしまった。私やアロンに残されている時間は、あとどれくらいあるのだろうか）。 翌朝。モーセは考えを巡らせた。先の偵察（(2008- 5-12) カナン偵察 part 1参照）で、ヘブロン方面の街の民の守りが強固であることがわかっている。では、どうするか − モーセは、エドム地方を通ってヨルダン川の東側を目指すことを考えた。 モーセは人を選び、使者としてエドム王のもとに遣わせて、領地の通過を交渉した。「どうか、あなたの領土を通過させてください。畑やぶどう畑の中を通ったり、井戸の水を飲んだりしません。あなたの領土を通過するまで、右にも左にも曲がることなく、『王の道』（ルート不詳）を通っていきます。」 しかし、エドム王の回答は冷ややかだった。 「私の領内を通ってはならない。もし通過した場合は、剣をとってお前たちを迎え撃つ。」 使者がエドム王の回答を持ち帰ると、モーセは再度人を遣わせて言わせた。「わたしたちは広い道を通りますし、その際、わたしたちや家畜があなたの土地の水を飲むことがあれば、その代価は支払います。徒歩で通過するだけです。そんなに大それたことをお願いしているわけではありません。」 だが、異民族が自分の領内を通ることを恐れたエドム王の態度は頑ななままだった。ついには王が迎撃の部隊を編成し始めたのを見て、使者は驚いてモーセのもとに帰った。エドムは強国であった。その反応を聞き、さすがにモーセは、エドムの領内を通過する案をあきらめざるを得なかった。 （余談ながら、エドムは旧約聖書の中ではヤコブの兄、エサウの子孫とされる。(2007- 9-28) ヤコブ編 補足参照のこと。） （民数記第２０章第１４節〜第２１節より）
参考地図1-3-6：カナン地方南部
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