イスラムの歴史 (2008-5-28)

(2008-5-28)　反逆　part 3

（P文書版の物語の続き）

　翌日、モーセとアロン、そうしてコラ、ダタン、アビラムと２５０人の指導者は臨在の幕屋の入り口に集まった。すると、神がモーセとアロンに語りかけて言った。「この民から離れたところに立ちなさい。私はただちに彼らを滅ぼす。」　二人は、またもや民のために弁明しなければならなかった。「神よ。あなたは、一人が罪を犯すと、共同体全体に怒りを下されるのですか。」

　すると、神は考え直してこう言った。「では、コラ、ダタン、アビラムの天幕から離れるよう、共同体に告げなさい。」　この言葉を聞いて、コラたちは青ざめた。モーセとアロンは人をやって、コラたちの天幕の周りから人々を遠ざけるように指示した。（彼らの破滅は、免れまい）とモーセは密かに思った。神は最初、民全体を滅ぼすと言った。神が譲歩して示した条件が、コラ、ダタン、アビラムの滅びであることは明らかだった。

　コラたちは最初、呆然としていたが、少しして我に返った。天幕には彼らの妻子がいる。あわてて彼らは自分たちの天幕に戻ったが、まさに彼らがたどり着いたとき、大地が裂けて彼ら一家と天幕を飲み込んでしまった。

　同じ頃、臨在の幕屋の前では、神が炎でもって２５０人の指導者を焼き尽くしてしまった。神はモーセに、２５０人が持っていた香炉を打ち延ばして板金にし、祭壇の覆いを作るように命じた。その作業はアロンの子エルアザルに命ずるべし、とも言った。モーセは言われたとおり、エルアザルに祭壇の覆いを作らせた。

　翌日。イスラエルの人々はモーセとアロンに逆らって、臨在の幕屋の近くに集結して二人に不平を言った。「あなたたちは主の民を殺してしまったではないか。」

　すると、神はモーセに言った。「この共同体から離れなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす。」

　今回は、神の行動は早かった。あっという間に疫病が広がり始めていた。モーセはアロンに言った。「香炉を取り、それに祭壇の火を入れて、急いで罪を贖う儀式を行いなさい。」　アロンが急いで人々の中に走っていき、疫病で倒れている者と生きている者との間に入り、儀式を行うと、災害は治まった。

　この災害による死者は１４，７００人と聖書は伝えている。

（民数記第１６章～第１７章第１５節より）

←前の記事へ　　　次の記事へ→