イスラムの歴史 (2007-6-15)

(2007-6-15)　アブラハム　part 2

　アブラハムの話を続ける。カナン地方（今で言うパレスティナ地方）に戻ってきたアブラハムには、もう少し北上してベテルとアイの間に天幕を張った。同行している一族の中には甥のロトがいた。二人はここで牧畜生活を始めるが、やがてお互いのグループの人数が増えてきて、いさかいが起きるようになった。そこで、二人は別れて住むことにした。ロトはソドムの町の方に移り住み、アブラハムは少し南下してヘブロンに住んだ。

　こうしてソドムに住んだロトの方は、やがて神による滅びを経験することになるのである（詳細は(2007- 5- 7)　ソドム及び(2007- 5-10)　ソドム　part 2参照）。

　さて、アブラハムはある日、幻を見た。幻の中で、神がアブラハムに語りかけた。「あなたが受け取る恵みは大きいものになろう。」　アブラハムは答えて言った。「一体、私に何をくださるというのですか。いかに恵みをいただいたとはいえ、私たち夫婦には子どもがありません。せっかく恵みをいただいても、私の家のしもべが跡を継ぐことになるでしょう。」　すると、神は言われた。「いや。あなたの子どもがあなたの跡を継ぐ。あなたの子孫は、星の数のように満ちることになろう。」

　ところが、その後もアブラハムとサラの間には子どもが生まれなかった。神のお告げによれば、アブラハムから生まれる子どもが後を継ぐことになっている。しかし、しばらくしても子どもができない。思案したサラは、自分の女奴隷ハガルと寝るようにアブラハムに勧めた。そうして、ついに子どもが生まれたのである。アブラハムは、その男の子をイシュマエルと名付けた。

（旧約聖書　創世記　第１３章、第１５～１６章から）

（次回に続く）

参考地図1-2-1：古代イスラエル

（前回の図を再掲。注意事項については前回記事を参照してください）

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