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(2012-2-19) ヤロブアムの子、病にかかる やがて、ヤロブアムの息子アビヤが病気になった。子の病を心配したヤロブアムは、妻に言った。 「立って、ヤロブアムの妻だと知られないように姿を変え、シロに行ってくれ。そこには、私がこの民の王になると告げてくれた預言者アヒヤがいる。パン１０個と菓子、それに蜜を一瓶持って彼のもとに行け。彼なら幼い子に何が起こるか教えてくれるだろう。」 （ヤロブアムと預言者アヒヤの出会いについては(2011-12-31) 敵対する者たち／ソロモンの死 part 2参照。） ヤロブアムの妻は言われたとおりに変装し、シロにいるアヒヤの家を訪ねた。アヒヤはその頃には老齢のために目がかすみ、見ることができなくなっていたが、神の言葉を聞いた。「見よ、ヤロブアムの妻が来て、息子のことをあなたに尋ねる。息子は病気なのだ。あなたはこれこれしかじかと彼女に語れ。彼女は変装してやって来る。」 ヤロブアムの妻がアヒヤの家の戸口に着くと、その足音を聞いたアヒヤは言った。「ヤロブアムの妻よ、入りなさい。なぜそのように変装したのか。」 変装をいきなり見抜かれたヤロブアムの妻は驚いて家に入った。アヒヤは続けて言った。 「私はあなたにつらいことを告げるように命じられている。行ってヤロブアムにこう言いなさい。『イスラエルの神、主はこう言われる。私はあなたを民の中から選び出して高め、我が民イスラエルの指導者とし、ダビデの家から王国を裂いて取り上げ、あなたに与えた。しかし我がしもべダビデが私の戒めを守り、心を尽くして私に従って歩み、私の目にかなう正しいことだけを行ったのとは異なり、あなたはこれまでの誰よりも悪を行い、自分のために他の神々や鋳物の像を造り、私を怒らせ私を後ろに捨て去った。それゆえ、私はヤロブアムの家に災いをもたらす。ヤロブアムに属するものは、イスラエルにおいて縛られている者も解き放たれている者も、男であればすべて滅ぼし、人が汚物を徹底的にぬぐい去るように、私はヤロブアムの家に残る者をぬぐい去る。ヤロブアムに属する者は、町で死ねば犬に食われ、野で死ねば空の鳥の餌食になる。まことに主はこう告げられた。』」 ヤロブアムの子が死ぬことはおろか、一族が滅ぶことまで預言されて蒼白になったヤロブアムの妻にアヒヤは続けて言った。 「あなたは立って家に帰るがよい。あなたが足を町に踏み入れるとき、あなたの子は死ぬ。イスラエルのすべての人々はこの子を弔い、葬るだろう。まことにヤロブアムに属する者で墓に入るのは、この子一人であろう。ヤロブアムの家の中でイスラエルの神、主にいくらか良いとされるのはこの子だけだからである。主はご自分のためにヤロブアムの家を断つ王をイスラエルの上に立てられる。今日にも、いや今にもそうされる。主はイスラエルを打って水辺に揺れる葦のようにし、その先祖にお与えになった地からイスラエルを引き抜き、ユーフラテスの彼方に散らされる。彼がアシェラ像を造って、主の怒りを招いたからである。主は、ヤロブアムが自ら犯し、またイスラエルに犯させた罪のゆえに、イスラエルを引き渡される。」 ヤロブアムの妻はアヒヤの家を立ち去り、心も重くティルツァに戻った。彼女が家の敷居をまたいだとき、幼いその子は死んだ。イスラエルのすべての人々はアヒヤの預言どおり、彼を葬って弔った。 ヤロブアムの治世は２２年間であったという。その間、南のユダ王国との間に戦いが絶えなかった。『聖書時代史―旧約篇』（山我哲雄、岩波書店、２００３年）p.101によれば、その没年は紀元前907年頃とされる。ヤロブアムが死ぬと、その子ナダブが北イスラエルの王となった。 （列王記上第１４章第１節〜第２０節より） 参考地図1-7-1：王国の分裂〜ヤロブアムの子、病にかかる
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