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７．分裂王国時代 (2012-1-28) 王国の分裂 part 1 ソロモン王が没すると、その子、レハブアムが王になった（在位 紀元前926〜紀元前910年。以下、在位年については『聖書時代史―旧約篇』（山我哲雄、岩波書店、２００３年）による）。 前回も書いたが、ダビデ、ソロモンの王国はユダ族と北イスラエルの諸部族の連合国家である。ソロモンの跡を継いだレハブアムを、レハブアムの出身母体であるユダ族が支持するのは当然として、北イスラエルの諸部族もまた承認するというプロセスが必要だった。もちろん、今までも南北イスラエルは連合国家を為していたのだから、とりあえずはその延長で物事は進んでいく − はずだった。 だが、ソロモン政権のもと、北イスラエル諸部族の内部では重い負担に不満が鬱積していた。そこで北イスラエルの人々は、新しい王に対して、負担の軽減を申し入れることにした。王に対して要望を伝えるにあたり、北イスラエルの民はエジプトに逃亡しているヤロブアムを呼び寄せることにした。ヤロブアムは、シロの預言者アヒヤから北イスラエル１０部族の王になる預言を与えられていた男である（(2011-12-31) 敵対する者たち／ソロモンの死 part 2参照）。それを危険視したソロモンから逃れるため、今はエジプトにいた。 ヤロブアムは亡命先のエジプトでソロモンが死んだことを知ったが、なおもエジプトに留まっていた。北イスラエルからの使者がヤロブアムを探し当て、ヤロブアムは使者と共に北イスラエルへ戻った。ヤロブアムが戻ると、北イスラエルの人々が、新たにレハブアムを王とするためにシケムに集まった。その群衆にヤロブアムも加わり、新王レハブアムの到着を待った。 レハブアムが現れると、ヤロブアムは住民を代表してレハブアムに申し入れて言った。 「あなたの父上は私たちに過酷なくびきを負わせました。今、あなたの父上が私たちに課した過酷な労働、重いくびきを軽くしてください。そうすれば、私たちはあなたにお仕えいたします。」 するとレハブアムは「行け、３日経ってからまた来るがよい。」と言い、北イスラエルの民をいったんは立ち去らせた。 レハブアムはエルサレムに戻ると、存命中のソロモンに仕えていた長老たちに相談した。「この民にどう答えたらよいだろうか。」 長老たちは答えた。「もしあなたが今日この民のしもべとなり、彼らに仕えてその求めに応じ、優しい言葉をかけるなら、彼らはいつまでもあなたに仕えるはずです。」 しかしレハブアムは長老たちのこの助言をあまり気に入らなかったのであろう、今度は自分と共に育ち、自分に仕えている若者たちに相談した。「我々はこの民に何と答えたらよいと思うか。彼らは父が課したくびきを軽くしろと言ってきた。」 するとその若者たちは答えて言った。「あなたの父上が負わせた重いくびきを軽くせよと言ってきたこの民に、こう告げなさい。『私の小指は父の腰より太い。父がお前たちに重いくびきを負わせたのだから、私はさらにそれを重くする。父がお前たちをムチで懲らしめたのだから、私はサソリで懲らしめる。』」 （次回に続く） 参考地図1-7-1：王国の分裂
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