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(2011-12-24) 敵対する者たち／ソロモンの死 part 1 ソロモンが異神を祭るようになったため、ソロモン政権に敵対する者たちが出現するようになった − と、聖書の列王記上には記されているが、本当のところの因果関係は定かではない。いずれにせよ、ソロモン政権にとって不穏な動きがいくつか見られるようになった。 １つめは、エドム人ハダドである。エドムは、ダビデがかつて支配下に置いた国であるが（(2010-11-22) ダビデの戦争 part 1参照）、ハダドはそのエドムの王家の血筋を引く者であった。かつてダビデがエドムを征服したとき、軍の司令官ヨアブが戦死者を葬るためにエドムに行き、そこでエドムの男をことごとく殺したことがあった。ヨアブ率いる軍がエドムに滞在すること６ヵ月に及んだが、このとき、少年であったハダドは、父の家臣のエドム人数人と共にエジプトに逃亡した。彼らはミディアンを出発してパランに行き、パランで従者となる者たちを募ってエジプトに入り、そしてエジプトのファラオのところに来た。 彼らに接見したファラオは、彼らに住まいを与え、食糧を手配し、土地を与えた。ハダドはファラオに大変気に入られて、ファラオの妻、王妃タフペネスの妹を妻として与えられた（ここにいうファラオが、具体的にどのファラオを指すのかは不明）。タフペネスの妹は、彼との間に男児ゲヌバトを産み、タフペネスはその子をファラオの宮殿の中で育てた。ゲヌバトはやがてファラオの宮殿の王子たちの中に加わった。 そんなある日、ハダドはダビデが没し、ヨアブも死んだことを伝え聞いた。するとハダドはファラオの前に出て、申し出た。「お願いです。私を故国に帰らせてください。」 ファラオは驚いて言った。「故国に帰りたいとは、私に何か不満でもあるのか。」 しかしハダドは「いいえ、ただ帰らせてほしいのです。」とだけ繰り返した。 そうしてハダドはエドムに戻ると、繰り返しソロモンに敵対するような行動をとり続けた。ただし、ハダドがその後、どのようになったのかは聖書中には記されていない。結末がどうなったかもわからないし、息子のゲヌバトを連れて行ったのか、それともエジプトに残したかも定かではない。
２つめは、エルヤダの子レゾンである。彼は自分の主君であるツォバの王ハダドエゼルを捨てて逃亡し、ダビデがツォバの人々を打ち殺したとき、その政治的権力の空白に乗じて仲間を集め、自ら首領となった（ダビデがハダドエゼルを破った話についても(2010-11-22) ダビデの戦争 part 1参照）。レゾンはダマスコに移動して住み着くと、ダマスコの支配者となった。レゾンはソロモンの存命中、絶えずイスラエルに敵対して、ハダドのように災いをもたらし、イスラエルを憎んだ。彼はまたアラムをも支配下に置いた。 （次回に続く） 参考地図1-6-31：敵対する者たち
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