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(2011-2-17) アブサロム、ダビデの側女と寝る アブサロムのエルサレム入城に話を戻す。アブサロムは自分の味方につけた全兵士を率いてエルサレムに入城した。アヒトフェルもアブサロムと共にエルサレムに入城した。 ダビデの友、アルキ人フシャイはアブサロムがエルサレムに入城してきたのを見ると、アブサロムのもとに駆け寄り、アブサロムに向かって「王様万歳！ 王様、万歳！」と叫んだ（アヒトフェルやフシャイについては(2011- 1-31) アブサロムの反乱 part 2、(2011- 2-10) ダビデとフシャイ／ダビデとツィバ参照）。 フシャイと父ダビデの仲を知るアブサロムは、不審に思ってフシャイに言った。「お前の友に対する忠実はそのようなものか。なぜ、お前の友について行かなかったのか。」 フシャイはアブサロムに答えた。「いいえ。主とここにいる兵士とイスラエルの全員が選んだ方に私は従い、その方と共にとどまります。それでは、私は誰に仕えればよいのでしょう。ご子息以外にあり得ましょうか。お父上にお仕えしたようにあなたにお仕えします。」 父親の親友でさえ自分に覆り、アブサロムとしては悪い気はしなかった。フシャイが自分の側についたことにアブサロムは満足した。
エルサレムで自分の拠点に落ち着くと、アブサロムはアヒトフェルを呼んだ。 「さて、これからどのようにすべきだろうか。お前たちで策を練ってくれ。」 アヒトフェルは、アブサロムの密かな欲望を見抜いた上で、こう言った。 「お父上の側女たちのところにお入りになるのがよろしいでしょう。お父上は王宮を守らせるため、側女たちを残しておられます。」 ダビデが王宮を守るために残した１０人の側女たちは若く、アブサロムにとっては魅力的に見えた。だが、父親の側女のところに入るのは、当然ながら道徳的に抵抗があった。しかし葛藤するアブサロムの背中を押すように、アヒトフェルは続けて言った。 「あなたがあえてお父上の憎悪の的となられたと全イスラエルが聞けば、あなたについている者はすべて、奮い立つでしょう。」 そのころ、アヒトフェルの提案は神託のようにすら受け取られていた。これにより、アブサロムは道義的な問題をすべてアヒトフェルに帰せることにした。 （アヒトフェルがそう言うのなら、ためらう理由もあるまい。） こうして、アブサロムはダビデの側女たちと寝ることにし、アブサロムは王宮の屋上に天幕を用意させた。ダビデが王宮に残していた１０人の側女たちは天幕の中に入れさせられ、そうして人目をはばかることなく、アブサロムはその天幕の中に入った。こうしてアブサロムがダビデの側女たちと寝たことは全イスラエルの知るところとなったのである。 そのころ、アヒトフェルの提案は神託のように受け取られていた。ダビデにとっても、アブサロムにとっても、アヒトフェルの提案はそのようなものであった。 （余談ではあるが、(2010-12-23) ダビデとバト・シェバ part 5におけるナタンの預言「あなたの目の前で妻たちを取り上げ、あなたの隣人に与える。・・・私はこれを全イスラエルの前で、太陽の下で行う。」は、このあたりの出来事を指している。） （サムエル記下第１６章第１５節〜第２３節） 参考地図1-6-21：アブサロムの反乱
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