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(2011-2-10) ダビデとフシャイ／ダビデとツィバ 祭司たちがエルサレムに戻ったことを確認すると、ダビデ一行は出発した。ダビデは頭を覆い、裸足でオリーブ山の坂道を、涙を流しながら上っていった（オリーブ山は、エルサレム東側にある山）。ダビデの家臣、アヒトフェルがアブサロムの陰謀に加わったという知らせを受けて（(2011- 1-31) アブサロムの反乱 part 2参照）、ダビデは「主よ、アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください。」と祈った。 神を礼拝する頂上の場所に着くと、アルキ人フシャイがダビデを迎えた（アルキ人はカナン人の中の一部族）。フシャイの上着は裂け、頭に土をかぶっていた。ダビデがエルサレムを追われたことへの嘆きの表れである。ダビデはフシャイに言った。 「私と一緒に来ても、私の重荷になるだけだ。それよりも都に戻って、アブサロムにこう言ってくれ。『王よ、私はあなたのしもべです。以前、あなたの父上のしもべでしたが、今からはあなたのしもべです。』と。お前はわたしのために、アヒトフェルの助言を覆すことができる。都には祭司ツァドクとアビアタルもいて、お前と共に行動する。王宮で耳にすることはすべて祭司のツァドクとアビアタルに伝えてほしい。また、そこには彼らの二人の息子も共にいる。ツァドクの息子アヒアマツ、アビアタルの息子ヨナタンだ。耳にすることは何でもこの二人を通して私のもとに伝えるようにしてくれ。」 言うなれば、情報工作員のようなものである。ダビデの命令を受けて、ダビデの友フシャイもまた都に入った。 ほどなくして、アブサロムはダビデが去った後のエルサレムに入城した。
ダビデが山頂を少し下ったときに、先王サウルの子、メフィボシェトの従者ツィバが、ダビデを迎えた（メフィボシェトとツィバについては(2010-11-29) ダビデとメフィボシェトを参照）。彼は２頭の鞍を置いたろばに、２００個のパン、１００房のぶどう、１００個の夏の果物、ぶどう酒一袋を積んでいた。 王が、「お前はこれらのものをどうするのか。」と尋ねると、ツィバは、「ろばは王様のご家族の乗用に、パンと夏の果物は従者の食用に、ぶどう酒は荒れ野で疲れた者の飲料に持参いたしました」と答えた。 王がツィバに「お前の主人の息子はどこにいるのか。」と尋ねた。メフィボシェトはどこにいるのか、の意味である。 ツィバは答えて言った。「エルサレムにとどまっています。『イスラエルの家は今日、父の王座を私に返す』と申していました。」 ダビデの王権が、サウルの一族であるメフィボシェトに返ってくる、という意味である。 ダビデはツィバに言った。「それなら、メフィボシェトに属するものはすべてお前のものにしてよろしい。」 ツィバは「お礼申し上げます。主君である王様のご厚意にあずかることができますように。」と言った。 ツィバからの贈り物を受け取ると、ダビデはツィバと別れて出発した。 （サムエル記下第１５章第３０節〜第１６章第４節より） 参考地図1-6-21：アブサロムの反乱
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