|
Copyright(C)2007-2008. Hidenori Tsuchikura. All rights reserved (Except some contents I write "this is other person's or organization's product.")
|
|
(2008-5-16) カナン偵察 part 3 （前回からの続き） 民の絶望はすぐにモーセとアロンに対する怒号に変わった。それはそうであろう、約束の地があると思えばこそ苦しい逃避行に耐えてきたのである。だが、そのゴールがいきなり目の前から消えた。 「いっそのこと我々は、エジプトの国で死ぬか、荒れ野で死ぬべきだったのだ。我々は一体、何のためにここまで来たのか。主はどうして我々をここまで連れてきて殺そうとするのか。このままでは妻子まで死んでしまう。」民は口々に言い合った。 翌日になると誰ともなく言った。「さあ、新しい指導者を立てて、エジプトに帰ろう。」 もう、モーセには自信が無くなっていた。モーセとアロンは、民の前にひれ伏した。紆余曲折を経てここまで民を引っ張ってきたのに、たどりつくべき場所は強固な城壁で囲まれているという。（もう、どうでもいい）モーセは地に身を投げ出すがごとく伏した。（民の罵声を浴び、非難を浴び、犠牲者をだしながらここまで来たのに、目的地に入れないのであればもう終わりだ。） うずらの件（(2008- 5- 2) 貪欲の墓参照）もあって、モーセにはもう神の意思が何かもわからなくなりかけていた。 伏せるモーセとアロンの傍らで、偵察隊の中のヨシュアとカレブはひるまなかった。衣を裂いて民に訴えた。「我々が偵察してきた土地は、とてもすばらしい土地だった。もし我々が主の御心にかなうのならば、主は我々をあの土地に導き入れ、与えてくださるであろう。ただ、主に背いてはならない。そこの住民を恐れてはならない。主が我々と共におられる。」 ヨシュアとカレブがそう言っても、民は今にも石で彼らを打ち殺さんばかりだった。 （次回に続く）
|
|
Copyright(C)2007-2008. Hidenori Tsuchikura. All rights reserved (Except some contents I write "this is other person's or organization's product.")
|
