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(2007-12-8)　エジプト入り　part 3

（前回からの続き）

　ファラオはヨセフに言った。「父上と兄弟たちがお前のところにやって来たのだ。エジプトの国のことはお前に任せてあるのだから、もっとも良い土地に住まわせたらどうだ。もし有能な者があるのなら、私の家畜の監督をさせるがよい。」

　ついで、ヤコブがファラオの前に進み出た。ファラオがヤコブに「あなたは何歳におなりですか」と尋ねた。ヤコブは答えた。「１３０歳です（注）。私の生涯の年月は短く、苦しみ多く、私の先祖たちの生涯や旅路の年月に及びません。」

　そうしてヤコブはファラオの前から退出した。

　ヨセフはファラオの命に従い、父と兄弟たちにエジプトの所有地（ゴシェンの地）を与えた。

　その後も、エジプトには飢饉が続いた。ヨセフは、豊作の７年の間に備蓄した穀物を民に開放し、民が代金として支払った銀を国庫に納めた。長期にわたる飢饉のため、やがて民は銀が尽き、銀によって穀物を買うことができなくなった。民はヨセフのところに来て訴えた。「食べ物をください。あなたさまは、わたしどもを見殺しになさるおつもりですか。もう我々は、支払うべき銀がありません。」　するとヨセフは答えた。「家畜を連れてきなさい。銀が無くなったのなら、家畜と引き替えに穀物を与えよう。」

　なおも飢饉の年が続いた。民は再びヨセフに訴えた。「私どもは銀もなくなり、家畜もなくなりました。残っているのは、私どもの体と農地だけです。食糧と引き替えに土地を買い上げてください。私どもは、ファラオの奴隷になります。そうすれば私どもは生き延びることができ、農地も荒れ果てないでしょう。」

　こうしてヨセフは、エジプト中の農地を買い上げ、国有地にした。また、民もエジプト王国の奴隷となった。ただし、祭司の農地だけは買わなかった。祭司にはファラオからの給与があったので、祭司たちは農地を売る必要が無かったからである。

　ヨセフは民に言った。「よいか。お前たちの土地はもう、ファラオのものだ。収穫の５分の１をファラオに納めるのだ。」

　こうして、ヨセフは収穫の５分の１をファラオに納めることをエジプトの農業の定めとした。ただし、祭司の農地だけはファラオのものにならなかった。

（「エジプト入り」の記事は創世記第４５章第２５節〜第４７章第２６節より）

（注）この時期の年齢表記については、(2007- 6-28)　サラの死参照。

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