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(2007-11-12) ヨセフ（再会編） part 1 さて、場所は変わって、ヤコブとその子どもたちが住んでいたカナンの地方にも飢饉が襲っていた。 ヤコブたちも、エジプトに食糧があることを聞きつけた。そこでヤコブは子どもたちに、エジプトに行って食糧を買ってくるよう命じた。ただし、末弟のベニヤミンはこの任務に入れなかった。ヨセフが死んでしまった（と彼らは思っていた）今となっては、ベニヤミンはヤコブが最も愛した妻ラケルとの間に生まれた唯一の子だったからである。 そうしてヤコブの１０人の子どもたちは旅立った。エジプトに着いて、穀物を買い求めようとしたとき、そこにいたのは穀物の販売を監督するヨセフだった。 ヨセフの方は、すぐにそれが自分の兄たちだと気付いた。だが、兄たちはそうではなかった。まさか穀物の販売を監督するこの高級官吏が、自分たちの弟だとは思いもよらなかった。兄たちは、ひれ伏してヨセフを拝した。それを見てヨセフは、かつて自分が見た夢を思い出していた（(2007-10-22) ヨセフ part 1参照）。 通訳を介してヨセフが尋ねた。「お前たちは、どこから来たのか。」 「食糧を買うために、カナン地方からやって参りました。」 間違いない、自分の兄たちである。そして同時にヨセフは、自分の置かれている状況に思いをめぐらせた。今の自分はエジプト王国のナンバー２、ファラオの片腕とでも言うべき座にある。それを妬む者も多い。今、自分の素性がここからばれることが、自分にとって大丈夫かどうか、計りかねた。 （次回へ続く）
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