イスラムの歴史 (2015-6-6)

(2015-6-6)　粛清　part 2

（前回からの続き）

　アハブの王子たちの首が届けられた知らせを聞いたイエフは、部下に命じて言った。「その首は、明日の朝まで町の入り口に二つの山に積んでさらしておけ。」　さっそく、王子たちの首が町の入り口に二つの山にして積まれた。

　翌朝、イエフは首を積んだ現場に出て行き、集まっていた民に向かって言った。「あなたたちに罪はない。私は主君に対して謀反を起こし、彼を殺した。だが、この者たちを殺したのは誰か。ただ、このことだけは知っておくがいい。主がアハブの家に対してお告げになった主の言葉は一つも地に落ちることがない。主はそのしもべエリヤによってお告げになったことを実現された。」

　そしてイエフは、イズレエルに残っていたアハブの家に属する者たち及びアハブについていた有力者、親友、祭司を皆殺しにした。

　イエフは立ってサマリアに向かったが、途中、ベト・エケド・ロイムで、ユダの王アハズヤの身内の者たちに出会った。イエフの部下が誰何すると、どうやら重要人物らしい。イエフの前に連れてこられた。

　改めてイエフは彼らに尋ねた。「あなたたちは誰か。」　すると彼らは「私たちはアハズヤの身内の者です。王子たち、王妃の子どもたちの安否を問いに行くところです。」と答えた。アハズヤは既にイエフに殺されている（(2015- 3- 7)　イエフの謀叛　part 5参照）。とっさにイエフは部下に命じた。「この者たちを生け捕りにせよ。」　部下たちは彼らを生け捕りにした。生け捕りにしたあと、イエフは命じた。「皆殺しにしろ。」　アハズヤの関係者は生かしておくつもりはなかった。部下は彼らをベト・エケドの水溜めに連れて行き、彼らを皆殺しにした。

　イエフがそこを出て進んで行くと、彼を迎えに出たレカブの子ヨナダブに会った。イエフは彼に挨拶して言った。「私の心があなたの心に対して誠実であるように、あなたの心も誠実ですか。」　ヨナダブは答えた。「そのとおりです。」　イエフが、「そのとおりなら、手を出してください」と言ったので、ヨナダブが手を差し出すと、イエフは彼を引き上げて自分の戦車に乗せ、「一緒に来て、主に対する私の情熱を見てください」と言った。二人は彼の戦車に一緒に乗り、サマリアに行った。彼は預言者エリヤの言葉のとおり（(2012- 9- 2)　ナボトのぶどう畑　part 2参照）、サマリアでアハブの家の者をことごとく打ち殺し、一族を全滅させた。　　

（次回に続く）

参考地図1-7-19：イエフの謀反～粛正

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