イスラムの歴史 (2012-7-21)

(2012-7-21)　イスラエルとアラムの戦い　part 4

（前回からの続き）

　こうしてベン・ハダドの家臣たちは腰に粗布を巻き、首に縄をつけてイスラエルの王の前に出て、こう言った。「あなたのしもべであるベン・ハダドは、命を助けてほしいと願っております。」　アハブは「王は生き延びておられたか。彼は私の兄弟である。」と言った。ベン・ハダドの家臣たちはアハブの言葉に良い兆しがあると見て、素早くその言葉をとらえ、「ベン・ハダドはあなたの兄弟です。」と答えた。アハブは、「行って、彼を連れてきなさい。」と言った。ベン・ハダドが出てくると、アハブは彼を自分の車に乗せた。ベン・ハダドはアハブに言った。「私の父があなたの父から奪った町々をお返しいたします。また、私の父がサマリアで行ったように、あなたもダマスコで市場を開いてください。」　アハブは答えて言った。「では、協定を結んだうえで、あなたを帰国させよう。」　アハブはベン・ハダドと協定を結び、彼を帰国させた。

　アハブがアラムの王ベン・ハダドを帰国させた後のことである。預言者の仲間の一人が神の言葉に従って、隣人に「私を打て。」と言った。だが、その隣人は打つのを拒んだ。その預言者は隣人に、「あなたは主の御声に聞き従わなかったので、私のもとから立ち去ると、きっと獅子に殺される。」と言った。気味悪がってその隣人は預言者から離れて立ち去ったが、果たして彼は獅子と出会い、殺されてしまった。その預言者はもう一人の隣人を見つけ、再び「私を打て。」と言った。この隣人は言われたとおりにその預言者を打ち、傷を負わせた。

　「それでいい。」　よろめきながらその預言者は立ち去ると、ある道で王を待った。やがて彼は王が自分の方に近づいてくるのに気づくと、目に包帯をして自分が誰であるかを分からないようにした。王が彼の近くを通りかかると、彼は王に向かって叫んだ。「しもべが戦場に出て行きますと、ある人が戦列を離れて一人の男を私のところに連れてきました。彼は私に、『この男を見張っておれ。もし逃がしたら、お前はこの男の命の代わりに自分の命を差し出すか、銀１キカル（約34.2kg）を払え。』と言いました。ところが、しもべがあれこれしているうちに、その男はいなくなってしまいました。」

（次回に続く）

参考地図1-7-7：イスラエルとアラムの戦い

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