イスラムの歴史 (2011-2-24)

(2011-2-24)　アヒトフェルとフシャイ　part 2

（前回からの続き）

　一呼吸置いて、フシャイは続けた。

　「私はこう提案いたします。まず王のもとに全イスラエルを集結させることです。ダンからベエル・シェバに至る全国から、海辺の砂のように多くの兵士を集結させ、ご自身で率いて戦闘に出られることです。隠れ場の一つにいる父上を襲いましょう。露が土に降りるように我々が彼に襲いかかれば、彼に従う兵が多くても、一人も残ることはないでしょう。父上がどこかの町に身を寄せるなら、全イスラエルでその町に縄をかけ、引いて行って川に放り込み、小石一つ残らなくしようではありませんか。」

　アブサロムも、どのイスラエル人も、アルキ人フシャイの提案がアヒトフェルの提案に勝ると思った。実際のところは優れていたであろうアヒトフェルの提案が捨てられ、災いがアブサロムにくだることが運命づけられていたようである。

　さしあたりはダビデが急襲されることが免れることになったことを見極めると、アブサロムのもとを辞したフシャイは、人目を忍んで祭司ツァドクとアビアタルに接触した。フシャイは二人に言った。

　「アヒトフェルはアブサロムとイスラエルの長老たちにこのような提案をしたが、私はこのような提案をした。急いで使者をダビデに送り、こう告げなさい。荒れ野の渡し場で夜を過ごさず、渡ってしまわなければなりません。王と王に従う兵士が全滅することのないように。」

　フシャイの情報を至急、ダビデにもたらさなければならない。ツァドクとアビアタルは、それぞれの子、すなわちツァドクの子アヒマアツとアビアタルの子ヨナタンに知らせることにした。フシャイも、ツァドクもアビアタルも、アブサロムに気づかれるような行動はできない。今、ダビデに情報をもたらすためには、アヒアマツとヨナタンが頼りだった。

（次回に続く）

参考地図1-6-21：アブサロムの反乱

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