イスラムの歴史 (2011-2-28)

(2011-2-28)　アヒトフェルとフシャイ　part 3

（前回からの続き）

　アヒアマツとヨナタンは、アブサロム一派に見つからないように、エン・ロゲル（後世にはヨブの泉と呼ばれる。エルサレム南方、キドロンの谷にある）にとどまっていた。ツァドクとアビアタルは一人の女を密使としてたてて、ヨナタンとアヒアマツに情報をもたらした。そうして接触に成功したものの、ヨナタンとアヒアマツの動きがアブサロム側に発覚した。たまたま一人の若者が二人のこと見かけた。

　（怪しい）

　情報を知って二人も浮き足立っていたのかもしれない。町を出ようと急いだ彼らの様子を見て、若者はアブサロムの部下に知らせた。

　「アヒアマツとヨナタンが、急いだ様子でどこかに出かけようとしています。」

　さっそく、アブサロムの部下はアヒアマツとヨナタンを追うことにし、武器を携えて出発した。

　一方、アヒアマツとヨナタンもまた、急いで出発した。彼らはバフリムに着くと、ある男の家に入った。

　男は不在で、妻が応対した。二人の若者（アヒアマツとヨナタン）は言った。「追っ手が来ている。もしかしたらアブサロムの手下かもしれない。迷惑はかけない、井戸に潜ませてもらえないだろうか。」

　アブサロムと言えば、ダビデを追いだした王子である。女は一も二もなく同意し、二人を井戸に潜ませた。妻は二人が隠れた井戸の上に覆いをかけ、その上に脱穀した麦を広げた。これなら、何も気づかれることはない。

　やがて、アブサロムの部下がその家にも来た。彼らはその女に言った。

　「アヒアマツとヨナタンはどこにいる。」

（次回に続く）

参考地図1-6-21：アブサロムの反乱

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