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(2021-8-14) ペルシア戦争 決戦 プラタイア part 3 （前回からの続き） 戦争に先立ち、ギリシア軍、ペルシア軍ともにそれぞれ、いけにえを捧げて戦争の行方を占った。ギリシアの占者は「守るのが吉。渡河して仕掛けるのは凶」と出た。一方、ペルシア軍及びペルシアの同盟ギリシア人部隊の占者が占った結果もペルシア軍への吉兆は得られず、双方、川を挟んでのにらみ合いが８日続いた。ギリシア軍が日に日に増強されていくので、キタイロン山麓からの進入路を抑えるべき、と進言する者があって、マルドニオスは騎兵部隊を派遣、ギリシア軍の補給部隊を壊滅させて物資を略奪するという一幕もあったが、この後もにらみ合いは続き、さらに２日が経過。 11日目には、マルドニオスの堪忍袋の緒が切れた。マルドニオスは配下の諸将を集めると、占いは無視することを宣言。明日には総攻撃を開始することを伝えた。マルドニオスの決断の背景としては、いよいよペルシア軍の兵糧が不足し始めていて、あと数日というところまで迫っていたことにもよる。この決定がなされると、マケドニアのアレクサンドロス王はその夜、ひそかにアテネの陣営を訪ね、明日ペルシア軍が総攻撃する予定であることを伝えた。また同時に、この情報をもたらしたからには、もしもペルシア軍が敗れた際には、マケドニアのことをよろしく頼むという趣旨のことも伝えた。 この情報はすぐにスパルタ軍の司令官パウサニアスにももたらされた。いよいよ明日が戦争という段になって、パウサニアスは急に不安にかられ、アテネに対して右翼・左翼の交換を申し出た。ペルシア軍主力部隊との決戦に自信が持てなかったのである。アテネ軍はこれを快諾。翌朝、夜が白むと両軍は移動を開始した。対するペルシア軍は、この様子を見ると、こちらも右翼・左翼の交換を始めた。あくまでも主力をスパルタ軍へぶつけるつもりであることを見て取ったパウサニアスは、陣地の交換を中止。結局最初の布陣に戻った。それを見たペルシア軍もまた、最初の布陣に戻った。 両陣営の布陣（再掲）
さらには、ギリシア側の食糧も尽き始めていた。また、補給部隊が敵の騎兵部隊に遮られ、補給がままならなかった。そこで、ギリシア軍首脳は集まると、いったん、キタイロン山麓付近まで後退することを決定した。この移動は夜にすることにし、その日の日中はペルシア騎兵の攻撃と戦い続けた。さて、夜になって移動を開始したところ、スパルタ軍配下のアモンパレトスだけは、そのようなスパルタの名を汚すようなことはできないと拒否。パウサニアスらスパルタ指導部と口論が続いた。 （次回に続く）
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