イスラムの歴史 (2019-11-13)

(2019-11-13)　エドムによるユダへの攻撃

　なお、エルサレムが征服されたことに便乗して、ユダの南にいたエドムが、ヘブロン近くまでを占拠したらしい（『聖書時代史－旧約篇』p.172～173）。聖書には直接その出来事を記した文書はないが、この出来事はユダヤ人にとってはかなり腹に据えかねるものだったようで、エドムに対する恨みつらみを吐露した文章は聖書の各所に散見される。エレミヤ書第４９章第７節～第２２節、哀歌第４章第２２節～第２３節、オバデヤ書や、後に紹介する詩編第１３７章などである。オバデヤ書については、ほぼその全てがエドムに対する呪いの言葉といっても過言ではないほどである。

兄弟ヤコブに不法を行ったので
お前は恥に覆われ、とこしえに滅ぼされる。

お前が離れて立っていたあの日
異国の者がエルサレムの財宝を奪い
他国の者がその門に入り
エルサレムをくじ引きにして取ったあの日に
お前も彼らの一人のようであった。

（オバデヤ書第１０節～第１１節）

主の日は、すべての国に近づいている。お前がしたように、お前にもされる。お前の業は、お前の頭上に返る。

（同書第１５節）

（注）「兄弟ヤコブ」の表現は、イスラエルの祖ヤコブとエドムの祖エサウが兄弟とする話をもとにしている。(2007- 7-16)　ヤコブ　part 1以降の話を参照。

　我々が滅びの日を経験したように、お前たちも滅ぶがよい。オバデヤ書には、そういう思いが込められている。
　

参考地図1-9-4：エドムによるユダへの攻撃

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