|
(2016-3-5) ユダの王ヨアシュ part 2 （前回からの続き） ヨアシュの治世には、アラムの王ハザエルが南ユダにも攻め寄せてきた（ハザエルの北イスラエルへの攻撃については(2015- 8- 1) 粛正 part 4参照）。ハザエルは地中海沿いに南下してガトを攻略すると、東へ転じてエルサレムに攻め上ってきた。 ヨアシュは、服従を選択した。ヨシャファトは先代の王であるヨシャファト、ヨラム、アハズヤが聖別した物（戦利品）、自分自身が聖別した物、神殿の宝物庫と王宮にある金を取り出すと、ハザエルに送った。貢ぎ物に満足したハザエルは、去っていった。 ヨアシュの治世は４０年と長かった。しかし最後には暗殺により人生の幕を下ろされた。列王記によれば、シラ（位置不詳）に下っていく途中、シムアトの子ヨザバドとショメルの子ヨザバド、いずれもヨザバドいう名の部下に打ち殺された。 歴代誌の方では物語はもう少し複雑である。祭司ヨヤダが長寿を全うして死んだ後、ユダの高官たちの勧めで、ヨアシュはアシェラと偶像に仕えるようになった。このゆえに神は怒り、預言者たちが次々と遣わされたが、誰も預言者たちの戒めの言葉に耳を貸さなかった。神の霊が祭司ヨヤダの子、ゼカルヤを捕らえた。ゼカルヤは民に向かって立ち、語った。「神はこう言われる。『なぜあなたたちは主の戒めを破るのか。あなたたちは栄えない。あなたたちが主を捨てたから、主もあなたたちを捨てる。』」 ところが彼らは共謀し、王の命令により、神殿の庭でゼカルヤを石で打ち殺した。ゼカルヤは、幼かった頃の王を保護してくれた後見人、祭司ヨヤダの子である。ゼカルヤは死に際して言った。「主がこれをご覧になり、責任を追及してくださいますように。」 年が改まる頃、アラムの軍隊がヨアシュに向かって攻め上ってきた。彼らはユダとエルサレムに攻めてくると高官をすべて殺し、戦利品をダマスコの王（ハザエル）のもとに送った。アラム軍はヨアシュにも重傷を負わせた後、去っていった。すると家臣たちはゼカルヤの血のために共謀し、寝床に伏すヨアシュを襲って殺した。ヨアシュはダビデの町に葬られたが、王の墓には葬られなかった。殺したのはアンモンの女シムアトの子ザバドと、モアブの女シムリトの子ヨザバドであったという。 ヨアシュが死ぬと、その子アマツヤがユダの王に就いた。 （列王記下第１２章、歴代誌下第２４章より） 参考地図1-7-21：ユダの王ヨアシュ
|
