|
(2013-11-2) エリシャの奇跡 part 2 （前回からの続き） 正直なところを言って、彼女はエリシャの言うことの意味がまったく分からなかった。だが、ともかく彼女は自分の油の壺を傾けて、近所から借りた器の１つに油を移し替え始めた。すると、いくら油を注いでも彼女の壺からは油が流れ続け、尽きることがなかった。彼女が驚くうちにその器は油で一杯になったが、まだまだ彼女の壺からは油が出てきそうだった。興奮しながら彼女は次々に器に油を注いでいったが、どれだけ油を注いでも、彼女の壺から油が流れ続け、ついに部屋中の器が油で満たされた。 彼女は子どもたちに「もっと器を持っておいで。」と言ったが、子どもたちは「ここにある器が全てで、他にはもうありません。」と答えた。油は止まり、もう出てこなくなった。彼女はエリシャのもとに言ってそのことを知らせると、エリシャは言った。「その油を売りに行って、負債を払いなさい。あなたと子どもたちはその残りで生活していくことができる。」
ある日、エリシャはシュネムに行った。そこに一人の裕福な婦人がいて、彼を引き止め、食事を勧めた。以来、彼はそこを通るたびに、立ち寄って食事をするようになった。彼女は夫に言った。「いつも私たちのところにおいでになるあの方は、聖なる神の人であることが分かりました。あの方のために階上に壁で囲った小さな部屋を造り、寝台と机と椅子と燭台を備えましょう。おいでのときはそこに入っていただけます。」 ある日、エリシャはそこに来て、その階上の部屋に入って横になり、従者ゲハジに、「あのシュネムの婦人を呼びなさい。」と命じた。ゲハジが呼ぶと、彼女は彼の前に来て立った。エリシャはゲハジに言った。「彼女に伝えなさい。『あなたは私たちのためにこのように何事にも心を砕いてくれた。あなたのために何をしてあげればよいのだろうか。王か軍の司令官に話してほしいことが何かあるのか。』」 彼女は、「私は同族の者に囲まれて何の不足もなく暮らしています。」と答え、下がった。 エリシャは「彼女のために何をすればよいのだろうか。」と言うので、ゲハジは「彼女には子どもがなく、夫は年を取っています。」と答えた。そこでエリシャは再び彼女を呼ぶように命じた。ゲハジが呼びに行ったので、彼女は来て入り口に立った。エリシャは彼女に言った。「来年の今頃、あなたは男の子を抱いている。」 彼女は答えた。「いいえ、私の主人、神の人よ、はしためを欺かないでください。」 しかし後日、この婦人は身ごもり、エリシャが告げたとおり翌年の同じ頃、男の子を産んだ。 （次回に続く） 参考地図1-7-15：エリヤ、天に昇る〜エリシャの奇跡
|
