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(2013-12-7) エリシャの奇跡 part 3 （前回からの続き） 月日が経ち、その子は大きくなった。ある日、刈り入れをする人々と共にいた父のところに行ったとき、その子は「頭が、頭が」と言った。父は事態が尋常ではないことを知り、緊迫した表情で従者に「この子を抱いて、母親のところに行ってくれ。」と命じた。従者は急いでその子を抱いて母親のところへ連れて行った。その子は母親の膝の上でじっとしていたが、昼頃に死んでしまった。 彼女はわが子の死に嗚咽し、しばし茫然としていたが、不意に子の亡骸を抱くと、階上に設けたエリシャのための部屋に上っていき、エリシャの寝台にその子を横たえ、戸を閉めて出てきた。彼女は人を遣って夫を呼んだ。夫が来ると彼女は言った。「従者一人と雌ロバ１頭を私のために出してください。神の人のもとへ急いで行って、すぐに戻ってきます。」 夫は、怪訝な顔をして言った。「どうして今日、その人のもとに行くのか。新月でも安息日でもないのに。」 だが、彼女はきっぱりと「行って参ります。」と言い、従者に命じて雌ロバを用意させると、その雌ロバに鞍を置き、その鞍にまたがった。彼女は従者に「手綱を引いて進んで行きなさい。私が命じない限り、進むのをやめてはいけません。」と言い、彼女と従者は家を発った。 こうして彼女は出かけ、カルメル山にいるエリシャのもとに来た。エリシャは遠くからやって来る彼女を見て、従者ゲハジに言った。「見よ、あのシュネムの婦人だ。すぐに走って彼女を迎え、『お変わりありませんか。お子さんはお変わりありませんか。』と挨拶しなさい。」 ゲハジは走って彼女のもとへ行くと、エリシャに命じられたとおりに尋ねた。彼女はゲハジには「変わりありません。」と答えたが、山の上にいるエリシャのところにつくと、その身を地面に投げ打ち、エリシャの足にすがりついた。 ゲハジは驚いて彼女を引き離そうとしたが、エリシャは言った。「そのままにしておきなさい。彼女はひどく苦しんでいる。主はそれを私に隠して知らされなかったのだ。」 すると彼女は涙を浮かべながらエリシャに言った。「私があなたに子どもを求めたことがありましょうか。私を欺かないでください、と申し上げたではないですか。」 ついにはこらえきれず、彼女の目からは涙があふれ始めた。嗚咽しながら、彼女はエリシャの足に力一杯しがみついた。 （次回に続く） 参考地図1-7-15：エリヤ、天に昇る〜エリシャの奇跡
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