イスラムの歴史 (2011-7-30)

(2011-7-30)　アドニヤ派のその後　part 1

　ダビデが亡くなり、ソロモンは父の王座についてその支配は確立した。

　そんなある日、先に王になると宣言してそれを撤回したソロモンの異父兄、ハギトの子アドニヤはソロモンの母バト・シェバのもとを訪ねた。アドニヤがバト・シェバの前に現れると、彼女はアドニヤに尋ねて言った。「穏やかなことのために来たのですか？」　するとアドニヤは「穏やかなことのためです。」と答えた。

　アドニヤが「実はお話ししたいことがございます。」と言葉を続けると、バト・シェバは「話してごらんなさい。」と答えたので、アドニヤは言った。

　「ご存じのとおり、王位は私のものであり、全てのイスラエル人は私が王となるように期待していました。しかし、王位は移って弟のものとなりました。主のお計らいによってそうなったのです。今、お願いを一つ申し上げます。断らないでください。」

　バト・シェバが「話してごらんなさい。」と言うので、アドニヤは言った。

　「あのシュネムの女アビシャグを私の妻にしていただけるように、ソロモン王に頼んでください。あなたの願いなら王もお断りにならないでしょう。」

　アビシャグは、ダビデの晩年に家臣がダビデのために見つけてきた娘である（(2011- 6-18)　王位継承の争い　part 1参照）。バト・シェバにとってはその娘をアドニヤに与えることに、何のためらいもなかった。バト・シェバはアドニヤに言った。「いいでしょう。あなたのために王に話します。」

　バト・シェバはアドニヤのために取り次ごうとして、ソロモン王のもとに行った。王は立ち上がって母を迎え、その前にひれ伏し、王座に着いて母のためにも席を設けさせた。バト・シェバは王の右に座った。

（次回に続く）