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(2011-4-2) ヨアブ、ダビデを非難する やがて、ダビデ王がアブサロムを悼んで泣いているとの知らせはヨアブにも届き、追って全軍の兵士の知るところとなった。全ての兵士にとって、その勝利は喪に変わった。その日兵士たちは、戦場を脱走してきたことを恥じる兵士が忍び込むようにして、こっそりとマハナイムの町に入った。 その頃、王は自分の部屋で顔を覆い、大声で叫んでいた。「私の息子アブサロム、アブサロム。私の息子よ・・・私の息子よ！」 町に戻ったヨアブは、王が嘆き続けていることを聞き、ダビデのところに行って言った。 「王は今日、王のお命、王子、王女たちの命、王妃、側女たちの命を救ったあなたの家臣全員の顔を恥にさらされました。あなたを憎む者を愛し、あなたを愛する者を憎まれるのですか。私は今日、将軍も兵士もあなたにとっては無に等しいと知らされました。この日、アブサロムが生きていて、我々全員が死んでいたら、あなたの目には正しいと映ったのでしょう。とにかく立って外に出て、家臣の心に語りかけてください。」 ヨアブが呼びかけたために叫ぶことはやめたものの、ヨアブに背を向けてなおも荒く呼吸するダビデに、ヨアブは続けて言った。 「主に誓って言いますが、出てこられなければ今夜あなたと共に過ごす者は一人もいないでしょう。それはあなたにとって、若いときから今に至るまでに受けたどのような災いにもまして、大きな災いとなるでしょう。」 そう言ってヨアブは、ダビデのいる部屋から出て行った。 ヨアブの言うことも十分にわかる。ダビデは心を静めると立ち上がり、暗い心を押し込めたまま平静を装って部屋を出て、城門の席に着いた。それを見た兵たちが「見ろ、王様が城門の席に座られている。」と口々に言い合うと、その話は徐々に広まり、やがて兵たちは皆、城門にいる王の前に集まった。ともかくもダビデは兵士たちの労をねぎらった。だがその口調が悲しみを押し殺したものであることは兵たちにも伝わり、王の演説が終わると兵士たちは自分たちのそれぞれの天幕に逃げるように帰った。 （サムエル記下第１９章第２節〜第９節より） 参考地図1-6-21：アブサロムの反乱
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