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(2010-4-1) ゴリアテ part 5 （前回からの続き） しかし、ダビデは言った。 「しもべは、父の羊を飼う者です。獅子や熊が出て来て群れの中から羊を奪い取ることがあります。その時には私は追いかけてそれらの獣に打ちかかり、その口から羊を取り戻します。向かってくればたてがみをつかみ、打ち殺してしまいます。私は獅子も熊も倒してきたのですから、あの無割礼のペリシテ人も、それらの獣の一匹のようにしてみせましょう。彼は生ける神の戦列に挑戦したのですから。」 ダビデは更に言った。 「獅子の手、熊の手から私を守ってくださった主は、あのペリシテ人の手からも私を守ってくださるに違いありません。」 ダビデがそこまで言うのを聞き、サウルはダビデにゴリアテに挑ませてみようという気になった。確かにこのままゴリアテの挑発に全軍がおびえ続けたところで、事態に何らの展開が見られるとは思えない。せっかく挑戦する気概のある者が現れたのだから、そのとおりにするのも一つの手と思われた − もっともサウルには、ダビデの自信が根拠のあるものには到底思えず、自殺行為にしか見えなかった。 ついにサウルはダビデに言った。 「行くがよい。主がお前と共におられるように。」 ただしサウルは、ダビデに自分の装束を着させた。死が待っているとしか思えない少年への、せめてものはなむけのつもりだった。彼の頭に青銅の兜をのせ、身には鎧を付けさせた。さらにはサウルは、自分の剣もダビデに与えた。ダビデはそれらの装束に身を固めてサウルの剣を帯びて歩いてみたが、ダビデはそれらのものに慣れていなかった。 ダビデはサウルに言った。 「こんなものを着たのでは、歩くこともできません。私は慣れていませんから。」 そうしてダビデはそれらの装束を脱ぎ去り、丁重にサウルに返した。 （次回に続く）
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