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(2010-1-25) 奇襲 part 1 サウルは、ペリシテ軍を迎え撃つためにミクマスの渡しに陣を敷いた。やがてペリシテ陣の先陣は対岸に到着したが、後続の部隊を待つためであろう、互いに仕掛けないままにらみ合う日々が続いた。 そうしたある日。サウルの息子ヨナタンは、武器を持つ部下に言った。「さあ、渡って行き、向こう岸のペリシテ人の先陣を襲おう。」 ヨナタンのこの決断は彼一人のもので、父サウルには話していなかった。他の兵士たちも、ヨナタンとその部下が密かに出て行くことに気付かなかった。川を渡る前にヨナタンは自分の部下を振り返って言った。 「さあ、あの無割礼の者ども（異教徒の意）の先陣の方へ渡って行こう。主が我々２人のために計らってくださるにちがいない。主が勝利を得られるために、兵の数の多少は問題ではない。」 ２人で敵陣に乗り込もうというのである。正気の沙汰ではなかったが、従卒は答えた。「あなたの思いどおりになさってください。行きましょう。私はあなたと一心同体です。」 ヨナタンが渡ろうとした場所は、両岸に切り立った岩があった。ヨナタンは言った。「よし。ではあの者どものところへ渡って行って、我々の姿を見せよう。そのとき、彼らが『お前たちのところへ着くまでじっとしていろ』と言うなら、そこに立ち止まり、登っていくのはよそう。だがもし、『登ってこい』と言うのなら、登っていこう。それは、主が彼らを我々の手に渡してくださるしるしだ。」 そうして２人は渡っていき、ペリシテ人の前に姿を見せた。２人を発見したペリシテ軍の兵士は言った。 「登ってこい。思い知らせてやろう。」 ヨナタンは振り返って従卒に言った。「私に続いて登ってこい。主が彼らをイスラエルの手に渡してくださるのだ。」 （次回に続く） 参考地図1-6-3：ペリシテ戦争
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