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(2010-1-21) ペリシテ人との戦い／最初の亀裂 part 2 （前回からの続き） やがてサムエルに送った使者が帰ってきた。「七日待つように。そうすれば私は行って犠牲をささげる」というのがサムエルの返事だった。ところが、七日経ってもサムエルは来ない。現実に増強されていくペリシテ人の陣を前に、そうして自軍には日々逃亡者が出ているため、サウルは待ちきれずについに自分で焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を神に捧げた。言わば、独断で宗教的な儀式を催行してしまったのである。 ところが、サウルが献げ物をささげ終えたとき、預言者サムエルがサウルの陣に到着した。 サウルはサムエルを迎えたが、サムエルは当然、サウルがしたことに気付いた。焼き尽くされた動物がそこにはあって、くすぶる煙が立ちこめていたからである。サムエルの顔がこわばった。鋭くサムエルはサウルに尋ねた。「あなたは一体、何をしたのか。」 ばつが悪そうにサウルは答えた。「兵士が私から離れて散っていくのが目に見えているのに、あなたは約束の日に来てくださらない。しかも、ペリシテ軍はミクマスに集結しているのです。今にもペリシテ軍がギルガルの私に向かって攻め下ろうとしている。それなのに、私はまだ主に嘆願していないと思ったので、私はあえて焼き尽くす捧げ物をささげました。」 サムエルはサウルに言った。 「あなたは愚かなことをした。あなたの神、主がお与えになった戒めを守っていれば、主はあなたの王権をいつまでも確かなものとしてくださっただろうに。しかし、今となってはあなたの王権は続かない。主は御心にかなう人を求めて、その人をご自分の指導者として立てられる。主がお命じになったことをあなたが守らなかったからだ。」 そうしてサムエルは立ち上がり、サウルに別れを告げてギブアに去っていった。 サムエルは去っていったものの、サウルとしては現実に敵が目の前にいる以上、戦わざるを得ない。それに、いずれにせよ犠牲を神に捧げたのである。とにかく神の加護を信じ、踏みとどまった。サウルが自分のところにいる兵士を数えると、６００人であった。 一方のペリシテ軍は、３つの軍隊に分け、遊撃隊を繰り出してきた。１つの軍はオフラへ通じる道を、もう１つはベト・ホロンへ通じる道を、残る１つはツェボイムの谷（位置不詳）を見下ろす、国境に通じる道を向かってきた。そうしてその先陣は、ミクマスの渡しまで進んできた。 ところが先にも述べたとおり、サウルとその息子ヨナタンの軍は、装備の面ではるかにペリシテ軍に劣っていたのである。 （サムエル記上第１３章より）
参考地図1-6-3：ペリシテ戦争
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