イスラムの歴史 (2009-10-5)

(2009-10-5)　ナオミとルツ　part 13

（前回からの続き）

　女たちはナオミに言った。

　「主をたたえよ。主はあなたを見捨てることなく、家を絶やさぬ責任のある人を今日、与えてくださいました。どうか、イスラエルでその子の名があげられますように。その子はあなたの魂を生き返らせる者となり、老後の支えとなるでしょう。あなたを愛する嫁、７人の息子にも勝るあの嫁がその子を産んだのですから。」

　ナオミはその子をふところに抱き上げた。近所の婦人たちは、ナオミの家に子どもが産まれたと言って祝福した。その子はオベドと名付けられた。

　この物語のその後としては、オベドはやがてエッサイという子を授かり、そうしてそのエッサイもまた子供にめぐまれ、その末っ子としてやがてダビデが生まれる。あの、古代イスラエル王国の全盛期の基礎を築き上げた王が、オベドの子孫から現れることになるのである。ダビデから見れば、ボアズとルツは曾祖父母にあたる。

（以上、ルツ記より）

　ルツとボアズのその後については、聖書中には書かれてはいない。だが、歴史の荒波がイスラエルを襲う前の時代の話である。おそらくは平穏にその生涯を閉じたことであろう。

　長らく続けてきた士師の時代の話も、これで終わる。次回からは物語は休み、解説編に入りたい。