イスラムの歴史 (2009-10-1)

(2009-10-1)　ナオミとルツ　part 12

（前回からの続き）

　すると、ボアズは続けた。

　「あなたがナオミの手から畑地を買い取るときには、彼女の亡くなった息子の妻であるルツも引き取らなければなりません。故人の名をその土地に再興するためです。」

　するとその親戚の人は言った。

　「そこまで責任を負うことは、私にはできかねます。親族として私が果たすべき責任は、あなたが果たしてくれませんか。」

　その頃のイスラエルでは、親族としての責任の履行や譲渡にあたって、一切の手続きを認証するためには、当事者が自分の履き物を脱いで相手に渡すことになっていた。その親戚の人は、「どうぞあなたがその人をお引き取りください。」とボアズに言って、履き物を脱いだ。

　ボアズは、長老と、周りにいた人々に言った。

　「今日、私がエリメレクの家の遺産をナオミから買い取ったことについては、あなたがたが証人となりますので、よろしくお願いします。」

　ボアズは続けて言った。

　「私は、ルツも引き取って妻とします。このことについてもあなたがたは証人となられたのです。エリメレクの家が絶えないためです。」

　門のところに集まっていた長老や人々も、祝福して言った。

　「私たちは証人です。あなたが家に迎え入れる婦人を、どうか、主がイスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにしてくださるように。また、あなたがエフラタで富を増し、ベツレヘムで名をあげられるように。どうか、主がこの若い婦人によってあなたに子宝をお与えになり、タマルがユダのために産んだペレツの家のように、ご家庭が恵まれますように。」

　（ラケルとレアの話は(2007- 8- 8)　ヤコブ　（ハラン編）　part 1以降を参照。タマルとユダの話は(2007-10-12)　ユダとタマルの話　part 1以降を参照）

　ボアズはこうしてルツを妻として迎え入れた。やがてボアズとルツは子どもを授かり、男の子が生まれた。

（次回に続く）

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