イスラムの歴史 (2009-9-3)

(2009-9-3)　ナオミとルツ　part 4

（前回からの続き）

　ルツはナオミに、「畑に行ってみます。誰か好意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます。」と言い、ルツは出かけた。

　ちなみに旧約聖書の申命記第２４章第１９節にはこう書かれている。

　畑で穀物を刈り入れるとき、一束畑に忘れても、取りに戻ってはならない。それは寄留者、孤児、寡婦のものとしなさい。こうしてあなたの手の業すべてについて、あなたの神、主はあなたを祝福される。オリーブの実を打ち落とすときは、後で枝をくまなく捜してはならない。それは寄留者、孤児、寡婦のものとしなさい。（中略）あなたは、エジプトの国で奴隷であったことを思い起こしなさい。わたしはそれゆえ、あなたにこのことを行うように命じるのである。

　収穫物のすべてを取るのではなく、一部は生活の苦しい者たちのために残しておくように、という規定である。ルツはそれを頼りにした。

　そうしてとある畑を見つけたルツは、刈り入れをする農夫たちの後について、その畑で落ち穂を拾ったが、そこはたまたまボアズという男が所有する畑であった。ボアズはナオミの亡夫、エリメレクの一族の親戚の一人で、富める者であった。彼は多くの畑を持ち、大勢の召し使いを抱えていた。

　彼女が落ち穂拾いさせてもらえないか頼むと、農夫たちは快く承諾した。こうして、ルツは農夫たちの後をついて、落ち穂を拾い続けた。

　作業が一段落して小屋で休むことになり、農夫たちはルツも招き入れて一緒に休憩した。その時である。主人のボアズが小屋に立ち寄った。ボアズは農夫たちに「主があなたたちと共におられますように」と言うと、彼らも「主があなたを祝福してくださいますように」と言った。

　その時、ボアズは、見慣れない女が一人いることに気がついた。農夫を監督する召し使いにボアズは聞いた。「誰だ、あの女は。」

（次回に続く）

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