イスラムの歴史 (2008-4-28)

(2008-4-28)　民の不満　part 2

（前回からの続き）

　泣きながら、モーセは神に訴えた。「あなたはなぜ、私を苦しめられるのですか。なぜ私はこの重荷を負わなければならないのですか。私がこの民すべてをはらんで生んだのでしょうか。あなたは私に、乳母が乳飲み子を抱くように彼らを胸に抱き、あなたが先祖に誓われた土地に連れて行けと言われます。この民すべてに食べさせる肉を、どこで見つければよいのでしょうか。彼らは私に泣き言を言い、肉を食べさせよと言うのです。・・・私一人では、とてもこの民すべてを背負うことはできません。私には重すぎます。どうしてもこのようになさりたいのであれば、いっそのこと、私を殺してください。」

　すると、神は言った。「イスラエルの長老のうちから、あなたが認める者を７０人集め、臨在の幕屋（注：神と語るための特別な天幕）に連れてきなさい。私は、あなたに授けてある霊の一部を彼らに授ける。そうすれば彼らは民の重荷をあなたと共に負うようになり、あなた一人で負うことはなくなる。」

　かつ、神は続けて言った。「民に告げなさい。明日のために身を清めるのだ。あなたたちは明日、肉を食べることができる。私の耳に達するほど泣き言を言い、エジプトでは幸せだったなどと言ったからである。あなた方が肉を食べるのは１日や２日ではない。１ヶ月だ。吐き気を催すほどあなたたちは肉を食べることであろう。」

　モーセは懐疑的だった。「私の率いる民は、男だけで６０万人います。それなのにあなたは『１ヶ月肉を食べさせよう』と言われます。そんなに羊や牛の群れがあるわけではありませんが・・・」

　神は答えて言った。「主の手が短いというのか。私の言葉どおりになるかならないか、今、あなたに見せよう。」

（次回に続く）

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