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(2008-2-13) 解説編

  さて、今日からはちょっと聖書のストーリーを離れ、解説に入りたい。

 まず、モーセの話の信憑性についてである。今まで見てきたストーリーでは、モーセが数々の奇跡を行いながらファラオと対決し、やがてエジプトを去ることについてファラオの公認を得るまでに至る。だが、物語の中でモーセが行って見せた奇跡が本当かと言われれば、さすがに眉唾ものであろう。(2008- 2- 8) 対決 part 5の逸話は、皆既日食をもとにつくられた物語ではないかと思う。

 では一連のストーリーは全くのでっち上げかと言えば、必ずしもそうとは限らない。古代の「物語」が、実際に起きたことをベースにつくられた事例は多々ある。「トロイの木馬」の物語も、空想と片づけられていたものが、遺跡が発掘されたりしているのだから。

 

 ただ、いかんせん「出エジプト」に記されている物語が、未だに伝説の域を出ないのである。イスラエルの歴史で、考古学的な物証が出そろってくるのはもっと先の時代であって、出エジプトの時代については少ない史料をもとに推測を重ねていかなければならない。

 

 

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