イスラムの歴史 (2008-2-6)

(2008-2-6)　対決　part 4

（前回からの続き）

　こんな調子で、モーセ・アロンとファラオのやりとりが続いた。

　モーセとアロンは、次々とエジプトに災いをもたらしていった。蛙の次は、ぶよ。アロンが杖で塵を打つと、塵がぶよとなってエジプトを覆った。その次は、あぶ。その次は、家畜の疫病。その次ははれ物の災い。その次は、ひょうが降り注いだ。

　ファラオは、モーセとアロンを呼んで、神に祈願するように頼み、その都度、モーセとアロンは災いを収めたが、災いが収まったのをみると、ファラオが気を変えてイスラエルの民を去らせなかった。

　ひょうの災いが収まった後、再びモーセとアロンがファラオのもとに現れ、またもや神に犠牲を捧げるために民を去らせることを要求した。

　ファラオの家臣がファラオに進言した。「いつまで、この男は我々に災いをもたらすのでしょうか。即刻あの者たちを去らせ、彼らの神に仕えさせてはいかがでしょう。エジプトが滅びかかっているのが、まだおわかりになりませんか。」

　ファラオはモーセとアロンに向き直って、尋ねた。「誰と誰が行くのか。」

　「全員です。若い者も、年寄りも。娘も息子も、羊も牛も参ります。主の祭は我々全員のものです。」とモーセは答えた。

　ファラオは言った。「よろしい。いや、行くのならば男たちだけで行って、主に仕えるがよい。それがお前たちの求めていたことだ。」

　しかしこれはモーセたちの要求していたところではなかったので、モーセとアロンは退出した。モーセが神の言うとおりに杖を地にさしのべると、東風が吹いてきて、イナゴの群れがエジプト全土を襲った。

（次回に続く）　