イスラムの歴史 (2008-2-4)

(2008-2-4)　対決　part 3

（前回からの続き）

　それから７日経った。神はモーセに言った。「ファラオのもとに行って、再び民を去らせるように交渉するのだ。だが、ファラオの心はかたくななままであろう。杖をとってエジプトの水の上にかざすがよい。蛙がエジプトを覆うであろう。」

　モーセとアロンは出かけて、神の言われるとおりに杖を水の上にかざした。たちまち、多くの蛙があふれ出てきた。こうしてモーセとアロンが、次々と蛙を自ら出していったら、たちまちエジプト中が蛙で覆われた。

　さっそく、異変の報告がファラオの元に届いた。それを聞いてファラオはとっさに思った。あの２人がまた何かやらかしたに違いない　－　いまいましげにファラオは毒づいた。エジプトの魔術師がファラオに言った。「何のことはありません。私めにも同じことができます。」　そう言って、エジプトの魔術師もまた、蛙をあふれさせてみせた。

　だが、それもファラオにとっては何の慰めにもならなかった。エジプトが蛙であふれかえっている現実は変わらないのだ。ファラオは人をやり、モーセとアロンを呼んで言った。

　「このあふれかえる蛙も、お前たちの仕業か。」

　「いいえ、私たちではありません。　－　主の為せる業です。」

　ファラオは言った。「お前たちの言う主に祈願して、この蛙が退くようにしてもらいたい。そうすれば民を去らせ、主に犠牲をささげることを許そう。」

　モーセはファラオに答えた。

　「あなたのお望みの時を言ってください。いつでもあなたとあなたの家臣と民のために祈願して、蛙をあなたたちの家から絶ち、ナイル川以外には残らないようにします。」

　ファラオが「では、明日だ」と言うと、モーセとアロンは退出して主に祈った。すると、エジプト中の蛙が死に絶えた。蛙の死骸が悪臭を放ったが、とにかく異変が終わったのである。それを見ると、ファラオは気を変えた。あんな連中の言うとおりにして、奴隷を荒れ野に行かせるなんて、とんでもない。

　そうして、相変わらずイスラエルの民を使役した。

（次回に続く）　

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