イスラムの歴史 (2008-2-1)

(2008-2-1)　対決　part 2

（前回からの続き）

　モーセとアロンが退出すると、神がモーセに言った。「ファラオの心は頑迷で、まだ民を去らせることはない。明朝、あなたたちはファラオのところに行きなさい。彼はナイル川の水辺に下りてくる。そうしたら、その杖でナイル川を打つのだ。」

　言われたとおりに、モーセとアロンは明朝出かけて、ナイル川の水辺でファラオが現れるのを待った。果たして、ファラオは家臣を連れてナイル川のほとりに現れた。ファラオがふと見ると、そこには例の２人がいた。ファラオは一瞬、嫌な気分になり、表情にもそれが現れた。だが、それに構わずモーセは勇気を出して大声で言った。

　「主は言われた、『私の民を去らせて、荒れ野で私に仕えさせよ。』と。であるのにあなたは、イスラエルの民を去らせない。主はこうも言われた。『このことによってあなたは、私が主であると知る。』と。」

　そう言って、モーセはアロンに命じ、アロンが手にしている杖でナイル川の水を打った。すると、たちまちナイル川の水がそこから血に変わった。川の魚は死に、川は悪臭を放つようになり、エジプトの人々はナイル川の水を飲めなくなった。

　ファラオと家臣は驚いて引き返した。そうして宮廷に帰ってエジプトの魔術師に尋ねると、彼らは答えた。「そのようなことは、我々でもできます。」　そう言ってナイル川の別のほとりにファラオと共に行き、実演して見せた。エジプトの魔術師にも同じことができるのを見て、ファラオの心はひとまず静まった。そうしてファラオは、この件については忘れることにした。

　ところが、ナイル川の水は血に変わったままで残ったので、エジプトの人々は飲み水を求めて、川のほとりで飲み水を求めて地を掘った。

（次回に続く）　

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