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(2021-7-17)　ペルシア戦争　外交の季節　part 3

（前回からの続き）

　スパルタの使者はアテネに対して以下のように述べた。

• そもそも今回の戦争は、アテネの防衛のために始まったものが、今やギリシア全土に及んでいるもの

• 人間の解放者として知られるアテネが、ギリシアの奴隷化の道を拓くことは遺憾

• 戦禍による被害救済のため、スパルタ及び同盟国は戦争期間中、アテネの非戦闘員を扶養する用意がある

• アレクサンドロスもまた王であり、独裁者の片棒を担いでいるに過ぎない。ペルシアとの和睦はすべきではない。

　スパルタの意見が述べられると、アテネの指導者層はアレクサンドロス王に対して言った。

• ペルシアが我々に数倍する力があることは充分承知しているので、今さら不快な言及は不要である。

• 太陽が現在と同じ軌道を進む限り、クセルクセスと和を講ずることはない。

• ペルシアの王が神殿・神像を焼き払った神々や英雄の援助を信じて、我々は迎撃・抗戦するつもりである。

　この回答を聞かせるために、わざわざスパルタからの使者を同席させたのであろう。

　次いで、アテネ指導者はスパルタの使者に対して言った。

• 心配するのは無理からぬことではあるが、アテネが和を結ぶことはない。

• 数々の神体・神殿が破壊され焼失した以上、我々は敵に報復を加えなければならない。

• 同じ言語、宗教・祭祀をもつ同胞を敵に売ることは我々にはできない。

• 扶養の申し出はありがたいが、我々としては迷惑をかけずに耐え忍んでいくつもりである。

　こうして、アレクサンドロスによる和睦調停は失敗に終わった。

　最後に、アテネはスパルタの使者に言った。「かようなわけで、我々がペルシアと同盟を結ぶことはないが、さしあたり、至急に軍隊を派遣してもらいたい。なぜなら、敵は我々の回答を知れば、直ちに進撃してくるに違いないからである。」

（次回に続く）

参考地図1-10-20：外交の季節

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