イスラムの歴史 (2012-7-7)

(2012-7-7)　イスラエルとアラムの戦い　part 2

（前回からの続き）

　これに対してイスラエルの王は答えた。「こう伝えよ。『武具を帯びようとするものが、武具を解くものと同じように勝ち誇ることはできない』と。」　まだ戦いはこれから始まるのであって、やってみなければわかるまい、という意味であろう。この回答がベン・ハダドにもたらされたとき、ベン・ハダドはほかの王侯たちと共に仮小屋で酒盛りをしていた。アハブの言葉を聞いたベン・ハダドは家臣たちに「配置につけ」と命じた。ベン・ハダドの軍は町に向かって戦闘配置についた。

　そのとき、包囲されたサマリアの内部では一人の預言者がアハブに近づいて言った。「主はこう言われる。『この大軍のすべてをよく見たか。私は今日、これをあなたの手に渡す。こうしてあなたは、私こそ主であることを知る。』」　アハブが、「誰を用いてそうなさるのか。」と尋ねると、預言者は答えて言った。「主はこう言われる。『諸州の知事に属する若者たちである。』と。」　王が「誰が戦いを始めるのか。」と尋ねると、彼は「あなたです。」と答えた。

　そこでアハブが、諸州の知事に属する若者たちを召集すると、その数は232名であった。続いてすべてのイスラエル人7000人を召集した。彼らが出陣したのは正午であったが、ベン・ハダドと援護に来た32人の王侯たちはまだ仮小屋で酒を飲んで酔っていた。対するイスラエル側は、まずは諸州の知事に属する若者たちがサマリアの町から外へ打って出た。「サマリアから若者たちが出てきている」との知らせを受けたベン・ハダドは、「彼らが和平のために出てきたとしても生かしたまま捕虜にし、戦いのために出てきたとしても生かしたまま捕虜にせよ。」と命じた。

　ところが、諸州の知事に属する若者たちはアラム軍を相手に戦い始めた。さらには、7000人のイスラエル人たちが町を出て戦い始め、そうこうするうちにアラム軍は敗走し始めた。イスラエルの人々は逃げるアラム軍を追撃した。仮小屋にいたベン・ハダドと王侯たちは酒を飲んでいるどころの話ではなくなり、王侯たちは我先にと逃げ始めた。ベン・ハダドは馬に乗り、騎兵を伴って逃げ去った。一方のアハブは、頃合いを見て自らもまた出陣し、アラム軍の軍馬や戦車の部隊をたたき、大勢のアラム軍兵士を殺した。

（次回に続く）

参考地図1-7-7：イスラエルとアラムの戦い

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