イスラムの歴史 (2012-5-28)

(2012-5-28)　エリヤ対バアルの預言者　part 3

（前回からの続き）

　エリヤはすべての民に向かって、「私の近くに来なさい。」と言った。すべての民が彼の近くに来ると、彼は壊された神の祭壇を修復した。エリヤは、イスラエルの部族の数に従って１２の石を取り、その石を用いて祭壇を築き、祭壇の周りに種２セア（約15.4リットル）を入れることのできるほどの溝を掘った。次に薪を並べ、雄牛を切り裂き、それをそれを薪の上に載せ、「４つの瓶に水を満たして、いけにえと薪の上にその水を注げ」と命じた。民は言われたとおりにした。エリヤが「もう一度」と言うと、民はもう一度同じように水を注いだ。エリヤがさらに「三度目を」と言うと、民はまた同じことを繰り返した。

　水は祭壇の周りに流れ出し、溝にも満ちた。献げ物を捧げる時刻に、預言者エリヤは近くに来て言った。「アブラハム、イサク、イスラエルの神、主よ、あなたがイスラエルにおいて神であられること、また私があなたのしもべであって、これらすべてのことをあなたの御言葉によって行われたことが、今日明らかになりますように。私に答えてください。主よ、私に答えてください。そうすればこの民は、主よ、あなたが神であり、彼らの心を元に返したのはあなたであることを知るでしょう。」

　すると、火が降ってきて、献げ物と薪、石、塵を焼き、溝にあった水をもなめ尽くした。これを見て驚いたすべての民はひれ伏し、「主こそ神です。主こそ神です。」と言った。エリヤは、「バアルの預言者どもを捕らえよ。一人も逃してはならない。」と民に命じた。こうなってはアハブにも為すすべはなかった。民がバアルとアシェラの預言者たちを捕らえると、エリヤは彼らをキション川に連れて行き、そこで預言者たちを殺した。

　これらのことが済むと、エリヤはアハブ王に言った。「上っていって、飲み食いしなさい。激しい雨の音が聞こえる。」　どこにも雨の兆しはなかったが、アハブは飲み食いするために上っていった。エリヤはアハブ王よりもさらに上、カルメル山の頂上に登っていった。エリヤは地にうずくまり、顔をひざの間にうずめた。エリヤは従者に言った。「上ってきて、海の方をよく見なさい。」　従者は上ってきて海の方をよく見てから、「何もありません。」と答えた。エリヤは「もう一度」と命じ、それを７回繰り返した。７度目に従者は言った。「ご覧ください。手の平ほどの小さな雲が、海の彼方から上ってきます。」　エリヤは言った。「アハブのところに行き、激しい雨に閉じこめられないうちに、馬を車につないで下っていくように伝えなさい。」

　そうこうするうちに、空は厚い雲に覆われて暗くなり、風も出てきて、激しい雨になった。アハブは車に乗ってイズレエルに向かった。

（列王記上第１８章より）

参考地図1-7-5：預言者エリヤ

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