イスラムの歴史 (2012-4-28)

(2012-4-28)　預言者エリヤ　part 2

（前回からの続き）

　すると、また神の言葉がエリヤに臨んだ。「立ってシドンのサレプタに行き、そこに住め。私は一人のやもめに命じて、そこであなたを養わせる。」

　サレプタは、サマリアよりもはるか北の位置にある。飢えと乾きに苦しみながらも、エリヤは幾日かの旅の末、サレプタにたどり着いた。エリヤがサレプタの入口まで来ると、一人のやもめが薪を拾っていた。エリヤはやもめに声をかけて言った。

　「器に水を少々持ってきて、私の飲ませてはくれませんか。」

　ゆっくりとした動作で彼女が水を取りに行こうとすると、エリヤはまた声をかけて言った。

　「できればパンも一切れ、手に持ってきてください。」

　すると彼女はうつろな表情で振り向いて答えて言った。

　「あなたの神、主は生きておられます。私には焼いたパンなどありません。ただ壺の中に一握りの小麦粉と、瓶の中にわずかな油があるだけです。私は二本の薪を拾って帰り、私と私の息子の食べ物を作るところです。私たちは、それを食べてしまえば、あとは死ぬのを待つばかりです。」

　エリヤは彼女に言った。

　「恐れてはならない。帰って、あなたの言ったとおりにしなさい。だが、まずそれで私のために小さいパン菓子を作って、私に持って来なさい。その後あなたとあなたの息子のために作りなさい。なぜなら、イスラエルの神、主はこう言われる。

主が地の面に雨を降らせる日まで
壺の粉は尽きることなく
瓶の油はなくならない。」

（次回に続く）