イスラムの歴史 (2011-10-1)

(2011-10-1)　神殿建築の準備　part 2

（前回からの続き）

　こうしてヒラムはソロモンの望みどおりレバノン杉と糸杉の木材を提供し、ソロモンはヒラムにその家のための食料として、材料切り出しの期間中、毎年小麦2万コル（4600キロリットル。仮に1リットルの小麦が650gとすると、約3000トン）、純粋のオリーブ油20コル（約4.6キロリットル）を提供した。先に記述した、12人の知事から納められる上質の小麦粉が日に30コルであるが、これを単純に年間換算すると約1万コルである。製粉後の小麦粉と製粉前の小麦という違いはあるものの、相当な経済的負担となったと思われる。

　いずれにせよヒラムとソロモンの間には平和が保たれ、二人は条約を結んだ。

　ソロモン王はイスラエル全国に労役を課した。そのために徴用された男子は3万人であったという。王は彼らを1万人ずつの３つのグループに分け、1万人ずつを１ヶ月交替でレバノンに送った。このため、これらの男子は１ヶ月はレバノンで働き、２ヶ月は自分の家に留まることとなった。この労役の監督はアドニラムが行った（アドニラムについては、労役の監督者として(2011- 9-10)　ソロモン王の統治と繁栄　part 1に登場している）。

　またソロモンには、荷役の労働者が7万人、山で石を切り出す労働者が8万人いた。そのほか、ソロモンには工事の責任を取る監督が3300人いて、工事に携わる民を指揮した。神殿の土台の切り石とするため、大きな質の良い石を切り出すように、と王に命じられ、ソロモンの石工たちは、ヒラムの石工たちやゲバル人と共同で石を切り出した。こうして、神殿建築用の木材と石材が整っていった。

（列王記上第５章第１５節～第３２節より）

参考地図1-6-28：神殿建築の準備

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