イスラムの歴史 (2011-3-10)

(2011-3-10)　アブサロムの最期　part 1

　ダビデの軍は野に出てアブサロム軍を求めて行軍した。アブサロムの軍もまた、ダビデの軍を求めて行進し、そして両軍はエフライムの森で遭遇した。

　エフライムの森において戦いが起こり、そうして結果は、ダビデ軍の大勝利だった。アブサロム軍は惨敗を喫し、２万人の兵を失った、と聖書には書かれている。

　戦いはその地の広範囲で起こり、その日、密林の餌食になった兵士の数の方が、剣の餌食になった兵士の数よりも多かった。アブサロムもまた、らばに乗って逃走しようとしていた。ダビデの家臣がアブサロムを見つけ、アブサロムは急いで逃げようとし　－　そして、彼が樫の大木のからまりあった枝の下を通ったとき、焦っていたせいか、アブサロムの豊かな長髪がその枝にからまった。らばはそのまま走り去り、アブサロムは宙づりになってしまったのである。

　アブサロムは片手で枝に捕まり自らの体重を支え、もう片方の手で髪をほどこうともがいたが、なかなかうまくほどくことができなかった。だが、片手で長時間、自らの体重を支えていることはできない。しばし両手で自らを支えて休み、休んでは片手でぶらさがって髪をほどこうともがき続けていた。

　ダビデ軍の兵の一人がそのアブサロムの姿を見つけ、急いでヨアブのもとに行って知らせた。

　「アブサロムが樫の木に宙づりになっているのを見ました。」

　ヨアブは、知らせに来た兵に言った。

　「アブサロムを見つけたのか！　見つけたのなら、なぜその場で奴を地面に打ち落とさなかったのだ。もしお前がそうしていたならば、銀１０枚と革帯をお前に与えただろうに。」

　その兵士は言った。

　「たとえこの手の平に銀千枚を頂戴することができたとしても、王の息子を手にかけることはできません。なぜなら王はあなたとアビシャイ様、イタイ様に命じて『あの若者アブサロムを守ってほしい』とお命じになったと聞きました。それに、私が彼の命を奪ってそれを偽ろうとしても王には何一つ隠せません。あなただって、私をお許しにはならないでしょう。」

　だが、兵士の言葉に、ヨアブは冷たく言い放った。「お前に何を言っても無駄なようだ。」

　ヨアブはその兵士を捨て置くと、３本の槍を携え、自分に忠実な１０人の兵士を連れて現場に急行した。

（次回に続く）

参考地図1-6-21：アブサロムの反乱

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