イスラムの歴史 (2011-2-14)

(2011-2-14)　ダビデとシムイ

　ダビデがバフリムにさしかかると、そこからサウル家の一族の者で、ゲラの子、名をシムイという男が呪いながら出てきて、兵士や勇士が王の左右を全て固めているにもかかわらず、ダビデとダビデの家臣たち皆に石を投げつけた。シムイはダビデを呪ってこう言った。

　「出て行け、出て行け。流血の罪を犯した男、ならず者。サウル家の全ての血を流して王位を奪ったお前に、主は報復なさる。主がお前の息子アブサロムに王位を渡されたのだ。お前は災難を受けている。お前が流血の罪を犯した男だからだ。」

　ツェルヤの子アビシャイが王に言った。

　「なぜあの死んだ犬に主君、王を呪わせておかれるのですか。行かせてください。あの男の首を切り落としてやります。」

　ダビデ王は言った。

　「ツェルヤの息子たちよ、放っておいてくれ。主がダビデを呪えとお命じになったのであの男は呪っているのだろうから、『どうしてそんなことをするのか』と、誰が言えようか。」

　ダビデはさらにアビシャイと家臣の全員に言った。

　「私の身から出た子が私を狙っている。ましてこれはベニヤミン人だ。勝手にさせておけ。主のご命令で呪っているのだ。主が私の苦しみをご覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」

　ダビデと一行は道を進んだ。シムイはダビデと平行して山腹を進み、呪っては石を投げ、塵を浴びせかけた。王も同行の兵士も皆、疲れて到着し、そこで一息ついた。

（サムエル記下第１６章第５節～第１４節より）