イスラムの歴史 (2010-1-11)

(2010-1-11)　サウル、王になる　part 3

（前回からの続き）

　一方のサウルは、ヤベシュへの使者を送り出すと、すぐに全軍をヤベシュに向けて出発した。

　翌朝早く。サウルは民を３つの組に分け、朝の見張りの時刻にアンモン人の陣営に突入し、日ざかりの頃までに彼らを討った。生き残ったアンモン人は散り散りになり、ほうほうの体で逃げていった。

　勝利に興奮した民はサムエルに言った。

　「『サウルが我々の王になど、なれるものか』と言っていた者は誰であろうと引き渡してください。殺します。」

　民の全員がサウルを王として歓迎していたわけではなかったのであろう。だがそれを聞いていたサウル本人が言った。

　「今日は、誰も殺してはならない。今日、主がイスラエルにおいて救いの業を行われたのだから。」

　サムエルは民に言った。

　「さぁ、ギルガルに行こう。そこで王国を興そう。」

　（ギルガルはヨシュアがヨルダン川を渡ってから初めに宿営した場所でもある。(2008- 8-25)　ギルガルにて参照。）

　民は全員でギルガルに向かい、そこでサウルを王として立てた。そうして和解の献げ物を神にささげ、サウルもイスラエルの人々も、大いに喜び祝った。

（サムエル記上第１１章より）