イスラムの歴史 (2009-12-17)

(2009-12-17)　サムエル、サウルに油を注ぐ　part 2

（前回からの続き）

　町に通じる坂を上っていくと、サウルたちは水汲みに出てきた娘たちに出会った。彼らは彼女たちに尋ねた。

　「ここに先見者がおられますか？」

　娘たちは答えて言った。

　「はい、おられます。この先です。お急ぎなさい。今日、この町に来られたのです。聖なる高台で民のためにいけにえが捧げられるのは今日なのです。今、上っていけば、すぐに会えるでしょう。」

　二人が町に上り、町の中に入っていこうとしたとき、ちょうどサムエルも高台に上ろうと向こうからやって来た。

　実のところ、サムエルは前日に神からこう告げられていた。

　「明日の今ごろ、私は一人の男をベニヤミンの地からあなたのもとに遣わす。あなたは彼に油を塗り、私の民イスラエルの指導者とせよ。この男が私の民をペリシテ人の手から救う。」

　そうしてサムエルがサウルを見たとき、また神の声がした。

　「私があなたに言ったのは、この男のことだ。この男が私の民を支配する。」

　そうとは知らず、サウルはサムエルに尋ねた。

　「お尋ねしますが、先見者の家はどこでしょうか。」

（次回に続く）