イスラムの歴史 (2009-11-26)

(2009-11-26)　ペリシテ戦争　part 1

　まだサムエルが頭角を現す前のことである。イスラエルの人々は、宿敵ペリシテと戦うために男子を集めて兵を出し、エベン・エゼルに陣を敷いた。ペリシテ人も軍を出し、アフェクに軍を展開した（エベン・エゼル、アフェクともに位置不詳）。

　やがて戦いが始まったが、イスラエル側はペリシテ軍に打ち負かされて約４０００人の死者を出した。

　兵士たちが陣営に戻ると、長老たちは言った。

　「なぜ主は今日、我々がペリシテ人に打ち負かされるがままにされたのだろうか。主は今日、我らと共におられなかったに違いない。主の契約の箱をシロから我々のもとに運んでこよう。そうすれば主が我々の中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」

　人々はその考えに賛成し、さっそく使者をシロに送った。事情を聞いてやむなしと考えた祭司エリは契約の箱を運び出すことを許可し、２人の息子ホフニとピネハスを契約の箱の輸送部隊に同行させた。契約の箱がイスラエルの陣営に届くと、大歓声が起こった。

　イスラエル軍の士気が高まったことを見て取ったペリシテ陣営は、恐れて言った。

　「大変だ。このようなことは、ついぞなかったことだ。ペリシテ人よ、雄々しく男らしくあれ。さもなければ、ヘブライ人があなたたちに仕えていたように、あなたたちが彼らに仕えることになる。男らしく彼らと戦え。」

　そうしてペリシテ人も負けじと自分たちを鼓舞し、そうして２つの陣営は再び戦った。すると、今度もペリシテ側が勝ち、イスラエル側は大打撃を受けた。歩兵３万人が死んだ上に契約の箱も奪われ、祭司エリの２人の息子も戦死した。

（次回に続く）