イスラムの歴史 (2009-9-28)

(2009-9-28)　ナオミとルツ　part 11

（前回からの続き）

　ルツがしゅうとめのところに帰ると、ナオミは「娘よ、どうでしたか。」と尋ねた。

　ルツはボアズがしてくれたことをもれなく伝えてから、肩掛けの中に入った大麦を見せ、「この６杯の大麦は、あなたのしゅうとめのところへ手ぶらで帰すわけにはいかないとおっしゃって、あの方がくださったのです」と言った。

　ナオミは言った。

　「私の娘よ、成り行きがはっきりするまでじっとしていなさい。あの人は、今日中に決着がつかなければ落ち着かないでしょうから。」

　同じ日。ボアズは早速、町の門のところに上っていって座った。すると、例の親戚の人が通り過ぎようとした。

　ボアズはその人に声をかけ、「引き返してここにお座りください」と言った。するとその人は引き返してきて、ボアズの近くに座った。

　ボアズはその人に少し待つように言い、急いで町の長老のうちの１０人を連れて戻ってきて、同じく座ってもらった。

　一同が集まったところで、ボアズは言った。

　「皆さんに集まっていただいたのは、相談したいことがあったからです。モアブの野から帰ってきたナオミが、私たちの一族エリメレクの所有する畑地を手放そうとしています。」

　そうしてボアズはそこに座っている親戚の人に尋ねた。

　「もしあなたに責任を果たすおつもりがあるのでしたら、この裁きの座にいる人々と民の長老たちの前で買い取ってください。もし責任を果たせないのでしたら、そう言ってください。それなら、私が責任を取ります。エリメレクの畑地への責任を負う人はあなたのほかになく、私はその次の者ですから。」

　彼はどう答えるだろうか。ボアズはその親戚の人が口を開くのを待った。

　畑地が増えることは大歓迎だった。その親戚の人は言った。

　「それでは、私がその責任を果たしましょう。」

（次回に続く）