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(2009-6-15) 士師サムソン part 8 （前回からの続き） しばらくして、小麦の収穫の季節になった。 サムソンは妻が懐かしくなり、またペリシテ人の彼女の家に行くことにした。一匹の子山羊を携えて妻の家を訪ね、「妻の部屋に入りたい。」と言ったが、彼女の父親は入らせなかった。この当時は通い婚だった、という説もある（『新共同訳 旧約聖書略解』（木田献一監修、日本キリスト教団出版局、２００１年）p.304参照）。なので彼女は相変わらず実家にいて、彼女の現在の夫が通っている状態だったというのである。 父親は言った。「私はあなたがあの娘を嫌ったものと思い、あなたの友に嫁がせた。妹の方が美しいではないか。その妹を、代わりにあなたの妻にしてほしい。」 だがサムソンは激怒した。あのように裏切られても、やはり姉の方が好きだったのであろう。 「このような仕打ちを受けたからには、私がペリシテ人に害を加えても、私に罪はあるまい。」 そう言い捨てるとサムソンは彼女の実家を飛び出した。サムソンは、例の怪力を持っている。彼は野において難なくジャッカル３００匹を捕らえると、ジャッカル２匹ずつの尾と尾を結び合わせ、かつその結び目に松明を１本ずつ取り付けた。そうして、その松明に火を付けて、ジャッカルをペリシテ人の畑に送り込んだのである。驚いたジャッカルは走り回り、方々に火を放った。そうしてサムソンはペリシテ人が刈り取った麦も、麦畑も、ぶどう畑も、そしてオリーブの木に至るまで燃やしてしまった。 だが当然この一件は、新たな火種を生まずにはいられなかったのである。 （次回に続く）
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