イスラムの歴史 (2009-4-16)

(2009-4-16)　士師エフタ　part 2

（前回からの続き）

　別の者が反論した。「エフタは、ここを追い出されたのだろう。頼んだところで、我々のために戦ってくれるはずなどない」

　議論の末、エフタがアンモン人との戦いを引き受けてさえくれるのなら、エフタをギレアドの住民の頭として迎えるという結論に落ち着いた。長老たちは、トブからエフタを連れ戻すために、エフタを訪ねた。

　「何のためにこんなところに来た？」　長老たちを見ると、エフタは醒めた声で言った。

　長老たちは言った。「どうか、ギレアドに帰ってきてください。今、アンモン人が我々のところに攻めてきています。もしあなたが我々の指揮官になっていただければ、我々も戦えます。」

　エフタは言った。「ギレアドの人々は、私をのけ者にし、父の家から追い出したではないか。困ったことになったからといって、今頃になってなぜ私のところに来るのか。」

　１人の長老が言った。「困っているからこそ、今、あなたのところに来ているのです。もしも戻ってきてアンモン人と戦ってくださるならば、あなたにギレアドの全住民の頭になっていただこうと考えております。」

　その言葉に、エフタは反応した。「私をギレアドの全住民の頭に・・・。本気か？」　少し考えをめぐらせると、エフタは再び言った。「私は、ギレアドと遊女の間に生まれた子どもだ。その私を、ギレアドの全住民の頭にするというのか？」　さらに言った。「もし私がアンモン人と戦い、主が彼らを私の手に渡してくださった（＝アンモン人に勝利した）あかつきには、私があなたたちの頭になるということで良いのだな？」

　長老たちは言った。「主が、私たちの間の証人です。私たちは必ずあなたの言うとおりに動きます。」

　エフタは長老たちと共に、ギレアドに戻る決意を固めた。

（次回に続く）

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