イスラムの歴史 (2008-4-11)

(2008-4-11)　金の子牛　part 1

　さて、物語の方に戻ろう。

　モーセは民のところに戻り、神から授かった言葉と法を民に聞かせると、民は神から授かった法を遵守することを誓った。「長老たちも連れてくるように」との神の言葉に従い、山のふもとにモーセとアロンや長老たちが集まり、神を拝みながら食べ、かつ飲んだ。

　すると、神がモーセに、再び山を登るように命じて言った。「私のもとに登ってきなさい。教えと戒めを記した石をあなたに授けよう。」

　そこでモーセは、従者ヨシュアのみを伴って再び山を登ることにした。民が何か訴えのあるときはアロンたちのところに来させるように長老たちに伝え、モーセとヨシュアは山を登っていった。今度は、モーセとヨシュアは４０日間、山に留まった。

　いつまでもモーセが戻ってこないので、民が騒ぎ始めた。民がアロンのところに集まってきて、言った。「どうか、我々を導く神を造ってください。モーセ様がどうなってしまったかわからないのです。」

　初めのうちは民をなだめていたが、あまりにも長い間、モーセが戻ってこないうちに、アロンには民を抑えることができなくなってきた。そうしてついにアロンは言った。「あなた達が付けている金の耳輪を外し、私のところに持ってきなさい。」

　そうして金の耳輪を集めると、アロンはのみで型を作り、それらの耳輪を溶かして型に流し込み、若い雄牛の像を造った。

　できあがった金の子牛を見て、民は「これこそエジプトから我らを導き出した神」と喜んだ。

（次回に続く）