イスラムの歴史 (2007-12-12)

(2007-12-12)　ヤコブの死　part 2

（前回からの続き）

　ヤコブは、息子たち全員に集まるように命じた。ヨセフ以外の息子たちもヤコブのもとに集まった。全員が集まると、ヤコブは言った。

「私は後の日に、お前たちに起こることを語っておきたい。」

　そういって、ヤコブは詩を歌い始めた。

「ヤコブの息子たちよ、集まって耳を傾けよ。
　お前たちの父イスラエルに耳を傾けよ。

　ルベンよ、お前はわたしの長子
　わたしの勢い、命の力の初穂。
　気位が高く、力も強い。
　お前は水のように奔放で・・・」

　この詩は創世記４９節に記されているが、長いので省略する。興味のある方はそちらを参照されたい。主なところだけ、かいつまんで紹介しておこう。

「ユダよ、あなたは兄弟たちにたたえられる。
　あなたの手は敵の首を押さえ
　父の子はあなたを伏し拝む。
　ユダは獅子の子。」

　この部分は、ユダ族からやがて統一王国を実現した王ダビデ、その子ソロモンが出てくることを暗示しているとされる。

「ベニヤミンはかみ裂く狼
　朝には獲物に食らいつき
　夕には奪ったものを分け合う。」

　この部分は、士師の時代にベニヤミン族から士師エフドが出現することや、ダビデ王の先の時代の初代王サウルがベニヤミン族から出てくることを暗示しているとされる。

（次回に続く）